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p24-27 日本の自然遺産の旅・ 『里山』千葉鴨川棚田 鴨川自然王国を訪ねて
千葉県南房総鴨川の嶺岡山中に「鴨川自然王国」なる多目的農場がある。そこに向かう一本道の途中、日本の自然遺産と言うべき「棚田」の風景が広がる。この棚田は大山千枚田。ここは東京から一番近い棚田である。大山千枚田は「保存会」によりオーナー制が導入されて保存が進められている。
日本の生産、生活の現風景としての里山 東京湾をフェリーで渡り、木更津から長狭街道を鴨川に向い下ってくると右手に「大山千枚田」の木の看板が見える。そこからの一本道をひたすらに上っていくと目の前に、棚段状にきれいに整えられた棚田の風景が模型のように広がる。まさに「棚田」そのものだ。「模型」のようにと表現したのは、都会の巨大な構造物ばかり毎日見ている身には、土と植物で造形された生産の場が非日常なのと、心を惹かれてしまう美しい造形だからだ。 棚田とは、一般には山麓や丘陵、扇状地などの自然傾斜を緩和した階段状の水田のことをいう。地域によって「千枚田」、「谷津田」とも呼ばれる。 棚田を持つ地域は、標高が高い場所に位置する所以で洪水防止や水資源の涵養などの公益機能を発揮する場所でもある。 しかし棚田のある地域は山腹、丘陵や谷底地などの厳しい地形の上に高齢化や農業の担い手が少なくなった上、生産基盤の整備の遅れなどで多大な労力が必要なため「耕作放棄」が拡大してきている。 「大山千枚田保存会」がオーナー制を導入して保存を進めるのもこんな背景があるからだ。東京から一番近い「棚田」に都市と農村の連携のモデルと地域機能の環境破壊、景観破壊なき未来を模索する姿を見た。
森と草原の接点、里山から都市の先端を結びつける「鴨川自然王国」
多目的農場、「鴨川自然王国」は大山千枚田から数分の距離だ。「鴨川自然王国」は農事組合法人として藤本敏夫氏が代表理事を務める。藤本氏は「鴨川自然王国」のホームページの中で語っている。 …ふと気がつけば、私たちは、人間と地球の健康を引き換えに存在の危機とでも呼べるような状況を招来してきたのです。今、必要なことは、人間と社会と自然の有機的な関係を再創造させて、「食」と「農」を通して喪失しつつある自己能力を開発し、健康と環境を保全することだと思われます。自然王国は、そのための「場」であり、「舞台」なのです。 …里山こそ都市の先端が連携せねばならない。人類のオリジンとでも言うべき回帰点で里山にフィードバックする人々の思いこそが自然王国だと考えることができます。森と草原の接点である中間山地=里山に都市生活者が移動し、情報革命に象徴される先端技術を駆使しながら、自然共生型の新たなライフスタイルを作り上げることができればすばらしいことです。
「都市」と「農村」の連携をめざす里
「都市」と「農村」の連携をめざす里山の活動に「鴨川自然王国」が主催する「里山帰農塾」がある。その第一回目がこの夏開催された。塾長は「大山千枚田保存会」会長でもある石田三示さん。昼間に実習として、間伐や薪作りの山林作業や、草ぼうぼうの休耕地の開墾、炭焼きなどが行われ、夜は講義がなされたという。講師には藤本敏夫氏、高野孟氏、組合理事の福井氏等があたったという。 自然王国の中には循環型浄化槽式トイレが設置され、ツリーハウスの宿泊施設、ダルマストーブによるサウナ室などがあり、畑での収穫や山からの収穫が膳にのぼるので家族づれで訪れても十分楽しめる。
自然王国内の「里山電脳オフィス」
T&T研究所は農事組合法人鴨川自然王国での実践を念頭において、里山多目的空間の建設と新しいライフスタイルの提案をコンセプトに様々な研究活動を行っている。所長は、藤本敏夫。主任研究員に田中正治、研究員に渡邊英理。研究領域は、農業、食、エネルギー、情報通信、文明論、農村、ライフスタイル、オルタナティブテクノロジーなどで、各専門家、研究グループ、NPOなどとのネットワークを築きながら、独自の情報収集、情報蓄積をし、また、研究成果を「T&T研究」として、紙媒体とWeb上で発表している。 本年度は、村上龍話題の小説「希望の国のエクソダス」にも描かれている「地域通貨」とオープンソース開発技術の代表としてLinuxを研究し、「T&T研究」に発表。また、9月には各界の一線級の研究者に集まっていただき、21世紀のあり様に関して意見交換をする「放談会」を開催した。 21世紀初頭の研究テーマは、バイオ。遺伝子組替え、クローン技術など、今注目の諸問題について研究する予定。また、同テーマで来春に放談会の開催も予定。今後、放談会については、春夏秋冬の年4回の開催、「T&T研究」は月1回の発行を予定している。
T&T研究所
296-0000 千葉県鴨川市大山平塚 鴨川自然王国 TEL/0470-99-9011 TEL/0470-98-1011 (山小屋) FAX/0470-98-1560 http://www.shizen-ohkoku.smn.co.jp/
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