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温暖化レポート -- 編集部







p40-43

地球温暖化レポート

いよいよ深刻さを増す地球温暖化。

身近な例をあげれば、21世紀には、九州で日本米ができなくなるとまで言われているほどだ。

その地球温暖化の現状、仕組み、温室効果ガスとはなどを徹底レポートする。

編集部レポート班

21世紀には最大で6度上昇

 21世紀の温度の上昇はどのくらい?

 地球温暖化はより深刻になりつつある。国連環境計画(UNEP)や世界気象機構(WMO)などが組織している「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)は、現在、第3次評価報告書をまとめつつある。この中で、2100年までに地球の平均気温は1.5度から5.8度上昇すると予測されている。1995年にまとめられた報告では、気温の上昇は1度から3.5度であったので、倍近くまで見直されたことになる。

20世紀には最大で0.6度上昇

 IPCCによると、20世紀における平均気温上昇は約0.6度であった。この間に気温は上昇しつづけたわけではない。

 1910年ごろには気温がかなり低下した時期があったし、1940年ごろから70年代後半にかけても低下傾向にあった。このため70年代には、地球は寒冷化し氷河期が再来するという説が登場したこともあった。しかし、1980年代以降は急速に温暖化が進んだ(図1)。

化石燃料消費と炭酸ガス

 この最大の原因は、もちろん、石炭、石油などの化石燃料の使用増大にともなう二酸化炭素ガス(炭酸ガス)の増加にある。二酸化炭素ガスは、石炭が大量に利用されるようになる以前の19世紀以前には、ほぼ280ppm(体積比:280ppmは0・028%)と一定であるが、それ以降は急増し、現在では356ppmとなっている。ハワイのマウナ・ロアの測候所では1958年以降、二酸化炭素ガス濃度の観測が行われている。それより古い時代に関しては、グリーンランドなどの氷に閉じ込められた大気の分析から濃度が明らかになった(図2)。

 この図中で青い線で示しているのが、化石燃料の消費量で、大気中の二酸化炭素ガスの増加とほぼ一致している。これを、さらに地域別でみたのが図3である。

 この図では、地域別に化石燃料消費による二酸化炭素(炭酸ガス)の放出を炭素の重量(ギガトン、10億トン)で示したものである。1860年には、微々たるものであったのが、1930年ごろには、1ギガトンに達し、現在では6ギガトンほどになっている。アメリカ、ヨーロッパなどの先進国と旧ソ連が大きな割合をしめているが、アジアや中南米の比率は高まりつつある。

 地球温暖化では、二酸化炭素ガスが問題となっているが、このほか、メタン、フロンなどのガスも温暖化に寄与している。メタンやフロンは、二酸化炭素ガスよりもはるかにわずかな量しか大気中には存在しないが、より強力な温室効果を示す。フロンは、オゾン層を破壊するため、代替フロンとよばれるHCFC・22というガスに置き換えられているが、この代替フロンはさらに強い温室効果を示す。二酸化炭素ガスの寄与度は約6割程度と見積もられている。

地球温暖化の仕組み

 では、温室効果ガスが増加するとなぜ、温暖化するのだろうか? 地球のエネルギー源は太陽エネルギーである。太陽からは紫外線、可視光線、赤外線などの電磁波が地球に降りそそいでいる。電磁波とはエネルギーが波の形で空間を伝わるもので、太陽光は波長0・15μm(マイクロメートル:1mmの千分の1)から、6μmの短い波長の電磁波のひとつである。なお、波長が短いため短波放射と呼ばれる。このうち、最も放射が強いのは青の光を中心とした可視光線である。しかし、紫外線の大部分はオゾン層によって吸収され地表には届かない。また、赤外線でも波長によっては、大気圏内の水蒸気(H2O)や二酸化炭素(CO2)に吸収されるので、直接的には地表には到達しない。なお、近赤外線は、日常の生活においてはテレビなどのリモコンや防犯カメラなどにも使われており、もちろん人間の眼ではみえない。可視光と近赤外線の一部分は雲や煤塵などによって反射されて宇宙空間に戻ってしまう。太陽エネルギーを100とすると、21%は直接、可視光線として地表に到達する。地表に届いた可視光や赤外線のうち、一部は地表で反射してそのまま宇宙空間に戻ってしまう。ここで、反射する率のことをアルベドという。鏡や白色の物体は反射率が高い、すなわちアルベドが高いということになる。反射されなかった光は、地表に吸収て熱に変わる。これは、夏の炎天下に黒い服をきていればより暑いという事実からでも簡単にわかるだろう。地球全体のアルベドは0・3、つまり、地表に到達した光の約3割が反射すると考えられている。

 また、雲や大気に吸収された光や赤外線は、熱に形を変えて地上に到達する。これらが28%分あり、先の直達日射と合わせると、太陽エネルギーの約半分が地表に到達する。

 地表に到達したエネルギーと同じだけ、地表は熱を放出する。そうしないと地表はどんどん熱くなってしまう。地表から放出するときには、15μmくらいの波長を中心とする電磁波となる。これは遠赤外線ともトばれており、コタツやストーブで用いられているものと同じである。石焼芋も火で小石を熱し、そこからでる遠赤外線で芋を焼くという仕組みになっている。直火で焼くよりも、遠赤外線で熱するほうが中まで火が通り、ふっくらとなる。遠赤外線は太陽の光に比べて相対的に波長が長いので長波放射ともいっている。

 この遠赤外線は、水蒸気、二酸化炭素、メタン、フロンなどの気体によって吸収されやすい。このような気体を温室効果ガスという。このようにして、遠赤外線は大気を一度、熱し、この大気から再度放出される遠赤外線のうち、上向きのものは宇宙空間に放出されるが、下向きのもの再度、地表方向に放射されることになる。

温室効果ガスは悪者か?

 温室効果ガスは通常は決して悪者なのではない。昼間に太陽からきた熱を蓄え、夜間に放射する役割を果たしているので、もし、温室効果ガスが無かったら、朝方の最低気温はもっと下がることになる。水蒸気が少ない砂漠では、昼間は暑くてたまらないほどになるのに、夜になると寒いほどになるのはこのためである。

 また、曇の日には、最低気温がそれほど下がらないのは水蒸気が多いためである。このように、温室効果ガスがあるために、最高気温と最低気温の差が少なくなり、暮らしやすくなっている。しかし、温室効果ガスの濃度が高くなると今度は問題を起こす。これは、温室効果ガスによって吸収される熱が増加し、地上への再放射が大きくなるため、地球が温暖化することになる。

IPCCの見直しの理由

 さて、話を最初に戻そう。IPCCが、地球温暖化のスピードがあがったと評価したのは、二酸化炭素ガスの分量が予想以上に増えたからというわけではない。地球への直射をさまたげている物質には、火山からの噴出物や、人工的に排出される亜硫酸ガスなどがある。亜硫酸ガスは、アメリカ、ヨーロッパ、中国などからの排出が多い。

 図5のように太陽からの直接放射は、工業活動などによる亜硫酸ガスによってさまたげられている。北アメリカ中部、ヨーロッパ、中国では、1W・m・2の放射がさまたげられており、これは、直接放射の1.5〜2%にもおよぶ。大都市などでは、このほか煤煙などによってさらに直接放射がさまたげられている。

 しかし、公害対策などで、亜硫酸ガスなどの排出が減少すると、直接放射が増加し、温暖化が促進されるという「こっちをとれば、あっちがたたず」といった状況になってしまう。また、オゾン層を破壊するので、フロンの使用が禁止されたが、これに代わる代替フロン(HFC)は、大きな温室効果をもっており、地球温暖化が促進される可能性がある。

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