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ネイチャーインタフェイス > この号 No.01 の目次 > P058-059 [English]

能/男の脳 女の脳


p58

あなたにわかる脳の話・

男の脳女の脳

 綱状説からニューロン説へ。あるいは大脳生理学や神経生理学が生まれ、20世紀半ばには分子生物学が誕生した。さらに神経科学、そしてゲノムプロジェクトと……。脳の研究が、いま日進月歩の速度で進行していることは、ここ数年マスコミ等で騒がれている。『ネイチャーインタフェイス』では、人の脳について、現在の研究成果をもとに、身近な脳のトピックをシリーズでお送りする。

 シリーズ第1回目は、男の脳と女の脳について。

 かつて男の脳で精液が製造されていたと思われていた。レオナルド・ダ・ヴィンチの有名な解剖図にも、それを解説する図があり、それは脳と脊髄をつなぐ経路が、ペニスへと向かい、さらに女性の膣の前で開いているというもの。ダ・ヴィンチの例は、それまでの男女関係の考え方を象徴するものだが、この考え方は長い間信じられていたようだ。

空間認識の上での男の脳・女の脳

 言うまでもなく、現在は、こんな話は昔話のひとつでしかないが、男の脳と女の脳の違いは、どういったものなのかを少し考えてみたい。

 男の脳と女の脳の機能の違いは、スキャンを活用して理解されるようになってきた。その中で特に顕著な違いを解説しよう。

 男の脳と女の脳の違いを語る場合に、まず第一にあげられるのが右脳のひとつの機能である「空間認識」の問題。例えば、男性は設計図面を見ただけでこれから建てようとする家の立体構造が理解できるが、女性にとっては平面的なイメージしか持てないといったことや、会社で企画を立てる場合、男性はフローチャートといったビジュアルを重ね、構造的にプランニングを進めるが、女性は自分のアピールを中心に展開するといった、日常的に表れているように。脳の点から見ると男の右脳には空間認識を行う部分が4ヶ所以上あるが、女の右脳にはその部分がはっきりとしないといったことがその理由であると考えられている。

言語能力の上での男の脳・女の脳

 そして次に言語能力。この点の違いが最も顕著で、ふだんの生活で、以下のような例を体験した人も多いだろう。

@夫婦で喧嘩をすると、いつも女房の方が勝った状態になってしまう。

A男性の会話はストレートで結論がわかりやすい。一方、女性は無駄話も含めて会話が成立している。

B欲求不満やストレスがたまってくると、男性は黙ってしまうことが多いが、女性は普段より余計にしゃべる。

C男性の議論は構造的だが、女性の議論は感情的になりやすい。

など、会話、議論、言葉の発し方・聞き方の点で非常にわかりやすいが、それが脳とどう関わっているのだろうか。

 右脳と左脳は、頭梁という組織でつながってるが、その太さは女性の方が太く、かつ女性ホルモンの働きによってそのつながりは女性の方が活発である。そのためよくしゃべる、スムーズにしゃべるということが女性の特徴になっている。また女性は、何かをしながらもうひとつ別のことができる。例えば携帯をかけながら料理をするとか、井戸端会議のように同時に複数の人と別の話題で会話ができるといった技を持っているのは、この右脳と左脳の連結のよさによるという。

 会話をしているときの女の脳をスキャンすると、左脳と右脳の両方が活発に活動していることがわかるが、男の脳は左脳だけが主に働いている。そのため男は、あまり言葉を使わずコミュニケーションをする術を学んでいったといえるのだ。

 この右脳と左脳の連結の問題にも関係しているが、その意味で女性は脳全体を使って会話する、行動するといったことが考えられ、一方、男の脳は、役割ごとにその機能が区分けされているため同時にひとつのことしかできないといった特質を持っている。

 また女性が感情的になりやすいのは、感情を担う機能が右脳に集中すると同時に他の機能と関係しているため、男の脳は専門分野ごとに機能分化している点と大いに違うからだ。

 今回は、男の脳と女の脳の違いを眺めてきたが、次号以降、脳と心の関係や脳と記憶、脳の老化のメカニズムなどを追いかけていこう。

p59

 脳科学の進歩にしたがってより情意のレベルの解明が進むだろう。立花隆氏は、その著書『脳を極める』(朝日新聞社)の中で、脳の機能解明を通してなされる脳の機能強化の点からこう言っている。

  ……だから、情の部分が肯定的に動けば人間は幸福になれるし、お互い相手に対しても優しくなれるということが期待できます。また意の部分でそうなれば、人間個々人がもっと勇気や気力を持てるようになるかもしれません。このあたりは実際に脳研究に携わっている方々の守備範囲にはあまり入ってきていないと思いますが、将来的には脳科学はそこまで対象を広げて行くのではないでしょうか……

 その時初めて、男と女の脳の本質的違い、すなわち男と女の情意レベルでの違いが科学的にわかるのだろう。

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