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NIクラブ フォーラム 環境との調和について -- ギヨーム・ロペズ

REPORT●リポート●

環境を考えた生活とは−

鷲本和子

2001年1月8日付朝日新聞、「くらし面」で、「せっけんも地球を汚す?」というテーマで記事が載っていた。子供が生まれてからの20年あまり、せっけんカスにも洗濯物の黄ばみも負けず、せっけんを使い続けてきた私としてはちょっと気になる記事だった。

 記事の内容は、「せっけんが必ずしも合成洗剤より環境に優しいというわけではない、地球環境全体の保護という観点まで考えると、はたしてどちらがいいのかわからない」ということのようだ。この記事の中には新潟大学、高橋敬雄教授の次のような言葉がある。「洗う行為そのものに問題があることを知って、『着たら洗う』から『汚れたら洗う』に変え、洗剤の量や洗濯の回数を減らすなどの工夫が必要だ」。洗剤を論じる前に、選択頻度を見直そうという事だと思う。環境問題を考えると、結局は個人の意識の問題ではないかと思うことが間々ある。そして、その個人の意識というものはいろいろな人の意識が相互作用して形成されていくものでもあると思う。

 そこで、私一人の考えではなく、いろいろな人の洗濯頻度に関しての意識を知りたいと思い、アンケートに答えてもらった。

 私自身のつながり(同世代の主婦)での調査のつもりだったが、若い世代にも答えて頂けた。

 洗濯物を大別すると、家庭で多く洗うものとしては、下着類、Yシャツ・ブラウス類、タオル類、ズボン・スカート類、上着、シーツ、等がある。不備は承知の上で、次頁のようなアンケートを考えた。実際アンケートを取ってみて、このアンケートの不備を思い知らされた。まず、多くの人が迷ったのは“洗濯頻度”だ。私自身の中では“洗濯頻度”=“着替える頻度”だった。聞かれると確かに、必ずしも着替えるたびに洗濯するとは限らず、まとめて洗う場合もある。また、家族の中でも着替える頻度は異なる。一覧表を見て頂くとわかると思うが、セーター、ジャケト、ズボン、スカートは洗濯頻度としては少なく、比較的「汚れたら洗う」傾向にあった。このアンケートの結果が数字としてどこまで統一的に扱えるかという問題はあると思うが、いろいろな人の様子がうかがえた。

 また、このアンケートで次のような意見、回答があった。

・ 洗剤云々の問題もあるが、洗濯方法(ドラム洗濯機など)の意識転換をしていかないと、せっけんの普及は難しい(現在の水流式の洗濯機では界面活性剤で汚れを溶かし出すことになるので合成洗剤を使用)。

・ 使用頻度によって洗うものも変わってくる。また、ストックも限られているので回数を減らすのは難しい(例えば通学用靴下など)。

・ 暮らす土地柄でも異なる。いなかの両親は、空気のきれいなところに住んでいるせいか、洗濯も少ないようだ。

・ 子供のものは、毎日洗いたい。毎日洗わないと、汚れがおちない。

・ 肌に直接触れる物は、毎日洗いたい。Gパン、スカートは大人の物と、子供の物とでは扱いが違う(子供の物は2日に1度が限界)。

・ 洗濯は、毎日はしない。たまったら、分類して洗う。

・ 冬場は天気と汚れ具合を見ながら、不定期に洗う。

・ 天候と洗濯物の量、洗濯機の容量により洗濯機を回す為、洗剤の量が適当がどうか?

・ バスタオルは水洗いで充分だと思いながら、別に水洗いすると選択回数が増えるので他の物と一緒に高水位で洗濯する。

今回洗濯頻度を考えることになったきっかけの「せっけんも地球を汚す?」という見出しを見た時、結構「せっけん」も使われているのだと勝手に思った。しかし、「せっけん」を使っている人は23%に過ぎなかった。合成洗剤も随分改良され、より使いやすく、より安全な、そして環境にやさしいものが出てきたようなのでこの結果も驚くことではないのかもしれない。せっけんにしても合成洗剤にしても、今のところ、どこまで安全でどこまで環境にやさしいのかははっきりしないが。

 洗濯の方法を考えるとき、それぞれの状況により随分異なる。このアンケートで考えさせられたことは、私自身の中で当たり前になっていることへのハテナ?洗濯物の項目で、バスタオルに関して。回答の中に、「使わない」というものがあった。考えてみると、我が家の子供たちはバスタオルを使わない生活を知らない。しかし、かつて私たちが子供だった頃は、バスタオルを使うということは、今のように当たり前のことではなかった。こんな事を言うと、「じゃぁどうしていたの?」と聞かれた。1つの浴用タオルで、体を洗い、湯上りもそのタオルで拭いていたことを話すと、以外にも納得していた。私自身が、楽で快適な生活に慣れていたということか?

 1955年頃、冷蔵庫・テレビと共に“三種の神器”と呼ばれていた電器洗濯機の出現で、洗濯の在り方も大きく変わった。

 また、洗濯は家事の中でも重労働のひとつだったが、今や、スイッチひとつで、脱水まで、いやいや最近では感想まで終えてしまう洗濯機。便利、楽で快適。しかし、ここで考えなければいけないのは、「便利、楽で快適」の主語についてだ。この主語になり得るのは人間だけなのだ。“三種の神器”が生まれた時代、私たち人間は、それらが人間にとってどうなのかということだけを考えていればよかった。しかし、今の時代、この環境で果たして自分達人間のことだけを考えていて許されるであろうか。そろそろ本気で同じ地球に生きる他の生物のことも考えていかなければいけないのではないだろうか。

 と、ここまできた時、「よく洗濯する、洗濯好きは文化だ」という記事に出会った。「洗濯機によって洗濯が簡単にはなったが、洗濯回数を増やしたとはいえない。清潔とは文化だ」、「日本人は洗濯好き、重労働だった昔およく洗っていた」というような内容だ。

 “文化”といわれると考えてしまう。“文化遺産”“文化財”“文化勲章”などなど“文化”とは何だか大切なものというイメージがある。しかし、よくよく考えると、一般的に言われている文化とは、やはり人間中心のものなのだ。だから“文化”も一考の必要があるのではないか。洗濯文化論(?)の記事の中にも、冒頭の高橋教授のことばにもあったが、「着たら洗う」から「汚れたら洗う」への意識の転換。洗い方も「丸洗い」から「部分洗い」へと洗濯習慣の転換を図ることにより、洗濯という人間の行為が、環境に及ぼす影響も少しは是正されると思う。

 アンケートを見ると、洗濯物の種類にもよるし、家族構成によっても洗い方は、随分違ってくるが、半数近くの人が今より回数を減らせると答えていた。また、以下のように書き添えてくれた人もいた。

・ 結構考えてしまった。具体的なようで漠然とした感じがするが、アンケートに答えるだけでも、意識し関心を持つ機会になった。洗濯機という便利な物ができたせいで地球を汚す結果になったのかもしれない。本当に大切なものは何かを考えさせられる。

・ 反省しているのは、やはり洗いすぎていることか。汚れたら洗う程度へ意識を変えていきたい。問題はだけでなく、台所洗剤の使い方にも一考が必要。

 不備なアンケートではあったが、皆、今の生活を少し見直してみようという気になったようだ。何人かの意識に少しでも影響を与えることができたと思っている。私自身もこのアンケートを思い立ち、洗濯について考えてから我が家の洗濯を見直した。

 Yシャツ、ブラウス類は何枚かまとめ、襟、袖等汚れやすい部分を固形せっけんで部分洗いをし、すすぎ、脱水は一緒にする。だが、確かに手間もかかるこの方法で充分かどうか、只今実験中といったところだ。

 洗濯の仕方もいろいろあっていいと思う。家庭により生活様式も違えば、汚れの程度も違う。体質的なこともあるだろう。その中で、少しでも環境を考えたやり方でできる人が実行する、できる時に実行するということでいいのだと思う。大袈裟な言い方だが、地球を救うのはみんなの意識。環境問題は意識の問題ということではないだろうか。

☆「限界」とは現実的にどこまで回数を減らせるかということです。(洗濯物の種類も含め、夏と冬の違いはあると思いますが、減時点の気候で答えていただきました)。

◎ いま、使っている洗剤は、

◎ せっけん(10人…23%) ときどき合成洗剤を使うも含む

合成洗剤(33人…77%)

◎ 答えてくれた人の年代は、20代(4)30代(7)40代(16)50代(13)

60代(1)70代 80歳以上

◎アンケート対象者数  50人

◎ アンケート回答者数  43人

各種その他までで合計に足りない分は無回答

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