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FORUM

● フォーラム●

環境との調和について

原文(英語):ギョ−ム・ロペズ

(フランスからの留学生・東京大学大学院新領域創成科学研究所環境学専攻修士一年)

訳:川原靖弘(東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻修士2年)

 “ネイチャー・インタフェイス”は、人間・人工物・自然の複雑な関係から成り立っている地球環境というものを、地球上のすべての生き物や人工物が“仲良く”共存できるように制御するということを目的にしている。これを実現させるには、人間の行為が自然に対して破壊的にならず協調できるよう、自然の要求、動態、変化などを調査する必要がある。マイクロセンサやマイクロアクアチュエータ技術を用いた新しい情報伝達システムは、Henri Bergson〔1859―1941〕の言っている、「生命が発する信号」“elan vital”を受信し、知覚することが出来るであろう。このような試みは、技術的なアプローチだけでなく、植物から人間まですべての生き物を協調させながら生存させるという希望が見え隠れする哲学的な思想も含んでいる。

 しかし、このような夢は、人類の文明が成熟してきた近年において初めて現実味を帯びている。地球生命の誕生以降、私たち人間が誕生する遥か以前から存在している地球環境にどのように人間が協調していったらよいかということについて、今日、私たちは考えようとしている。これは必然的に人間の性質からなされることであるが、近年までは人間社会において、植民地精神というものが大きく支配してきた。ある集団が他の国を訪れると、その土地の自然環境を破壊し、土地の人々に自分たちの生活習慣に従うことを強要した。土地の人々特有の文明を保存し、自然環境を保全しようと人類が考え始めたのは、つい最近のことなのである。このような侵略行為は、概して「多数派が勝利する」と長い間考えられてきた集団意識に端を発しているであろう。移民を例にとると、出身国が同じ者同士で集団をつくってしまうことは、環境との調和における典型的な失敗である。それが短い期間(1,2年)であっても長い期間であっても同じことである。異国においてコミュニケーションの壁を気にする外国人は同じ母国出身の人たちと共に、自分たちにとって慣れていて生活しやすい環境をつくりな直そうとする。それは、異質なものから自分を切り離し、(初めは)敵に見える周りの環境から自分を守るためには安全な方法であるが、その土地の文明をいっそう拒絶するための手段になってしまうのだ。

 私自身、ヨーロッパの国で育ち日本に住んでいるが、もちろん西洋の生活に慣れており、移民のような立場にある。日本には自分の意思でやってきたが、毎日のように、言語や文化、法律、暗黙に決められた習慣のギャップに直面している。この国の環境に自分自身を馴染ませるということは、自分自身と他人の事を観察し、これらのギャップを埋めることを意味する。ギャップが大きいほど、当然のごとくたくさんの努力や忍耐、気力が必要とされる。私は、当初、環境への統合はその環境に触れる前に済ませることが不可欠だと思っていた。しかし、私の周りで起こる様々なことが、なぜ日本に来たかったのかということ私に再認識させてくれていることに気が付いた。最終的にわかったことは、私はどんなに異なる環境であろうと、ひとたび身を置いたからには、その環境に慣れることに必要なことは何でもするであろうということである。私たちがしようとすることは、多かれ少なかれそれをすることにより得られる、物質的あるいは精神的な利益によって決まってくる。従って、自分がどのような利益を求めているかを知ることが重要になってくる。私は、日本に来ているという経験から、そこで得たものを自分の人生の目標に適応させるべくフィードバックするであろう。

 周りの環境に自分と異質なものが多いとし、それだけ環境に自分を適合させるのは難しく、多くの時間と労力を要する。実際、環境との適合を果たすためには、その環境に積極的に従い困難と思えるものに立ち向かうことを、これ以上必要ないというところまで続けるという勇気が必要となる。私は、子供のときに聞いた「やろうと思えばできる」という言葉を常に心に抱いている。環境への適合は本気で取り組まない限り成功しない。しかし、私は、ある決まった基本的な習慣が存在していると思うので、それに従うことにより新しい環境(生活)を受け入れることができるはずだと考える。その結果、短期間でその環境で生活をしている人々に受け入れてもらうことができ、これが新しい環境に適合するための王道である。生活習慣というものは、時代の潮流により常に変化しているものであり、ある環境での生活を今試みようとした場合、その土地の文化や歴史の記された本を読むだけでは不十分である。まあ、その環境に暮らす人々の行動をただ観察するのではなく、人々とコミュニケーションできるようその環境に深く入り込んでいく必要がある。そして、長い期間を経て、ついに世代間の生活習慣もわかり、その土地における現在の環境というものとその環境がどのように変化しようとしているのかを理解できるようになる。思うに、異文化への自分の適合という経験は、自然・人工物・人間が調和した世界を構築するという試みを理解するのに大きく役立つであろう。私が強調したいことは、将来、きっとこのような環境との統合が可能になり、ネイチャーインタフェイサというものが、私たちが置かれている現在の地球環境そのものとその環境のはてしなく続く変化を理解するべく、私たちと自然環境とを親密にコミュニケートさせる小さな環境構成要素になるであろうということである。

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