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環境プランナー

求められる環境コンサルティング

 各種リサイクル法をはじめ、環境関連法が矢継ぎ早に施行されている。今や企業活動においても、環境に配慮した経営が求められ、それに対応できなければ、企業規模を問わず市場から排除されかねない。企業にとっては、まさに「待ったなし」の状況だ。そこで、企業の環境コンサルティングの専門家として著明な井上壽枝公認会計士と、環境支援のNPOを主宰し、多方面に活躍する江間泰穂税理士に、会計人がこの問題にどう取り組み、企業をサポートしていけばいいのかを語ってもらった。

● 対談者 ●

中央青山監査法人

環境監査部部長・公認会計士

井上 壽枝 さん

NPO法人 環境アリーナ

研究機構理事長・税理士

江間 泰穂 氏

 ――最近の環境問題に対する企業の取組みはどうなっているのでしょうか。

 井上 大企業では、環境対策は会社の義務になっており、環境会計を導入している企業も数百社を数えます。さらに、企業の環境問題への取組みを記した「環境報告書」を作成している企業もすでに300社を超え、環境関連のISO、「ISO14001」取得にいたっては、企業のほとんどの部門で終わっています。なかでも、工場部門では、ほぼ100%近く取得が済んでおり、今現段階では中小企業の取得が中心になっています。

 江間 私は環境問題に取り組む特定非営利活動(NPO)法人「環境アリーナ研究機構」の理事長を務める一方で、税理士としても仕事をしていますが、実感として言えるのは、確実に中小企業も大企業並みに環境問題に取り組まなければならない時代に入っているということです。

 ――中小企業の多くは、資金繰りなどに負われ、環境問題まで手が回らない、お金が回らないと思うのですが。

 江間 目先の資金繰りだけでなく、将来、確実に対応が迫られることを中小企業経営者に認識させなければならない。そのためにも、会計人が顧問先に向かって環境対策についてきちんと説明する必要があります。

 井上 その通りです。中小企業経営者の多くは気づいていませんが、実は、環境対策は企業の営業活動にも大きく影響するのです。そういった認識がないので、二の次、三の次と考えてしまい、重要視されないのです。

 江間 そのいい例が、容器包装リサイクル法への対応です。同法は昨年、中小企業にも対象が拡大されました。リサイクルにかかる費用を会社に負担させるというもので、帳簿作成やリサイクル費用の算出などが義務づけられています。ところが、ほとんどの中小企業た対応していない。私の友人の税理士も、顧問先から相談されたが、「放っておけばいい」と言ったそうです。

 井上 それは、会計人があまりに認識が薄いですね。法律に背いたらどうなるのか、理解して指導すべきです。

 江間 リサイクル費用を支払わなければ罰則・罰金の対象になります。企業によっては、リサイクル費用の支払いで、経営が息詰まる可能性もああります。場合によっては、リサイクル費用で数百〜数千万円かかることもあるのです。さらに、違反企業は官報で公示されるため、それが大企業であれば、取引解除などの事態も起きかねません。そうしたことを認識せずに、顧問先企業にいい加減な指導をすることは危険です。問題が起これば顧問契約を解除されるかもしれません。

 ――そこで環境指導、すなわちコンサルティングが必要になるのですね。

 江間 環境指導といっても、大企業と中小企業では大きく異なりますからね。中小企業に大企業が行う対策をさせたら会社が持たない。中小企業には、コンパクトにまとめた、簡素な対策が必要です。

 井上 その仕事は、おそらく中小企業の内情を一番知っている税理士がもっとも適していると思います。監査法人も研究を重ね、大企業に合った環境コンサルティングの手法を構築してきました。中小企業向けのノウハウは、税理士のなかでつくられていくのがベストだと思います。

 ――会計人が環境問題に取り組む場合、環境会計などを切り口に専門能力を発揮できるそうですが。

 江間 環境会計は、省エネ、省資源、環境配慮、製品の設計費用、生産ラインでの環境配慮、廃棄物処理、リサイクルなど、それぞれの費用を集計し、各社が環境対応のためにどれくらい費用をかけ、設備などにどれくらい投資しているかを全体像として把握する資料です。つまり、環境に対するコストを明確にする意味を持っています。

 井上 企業にとって、全体のコストを把握することは重要です。無駄があれば見直せます。また、対外的には、企業がどれだけ環境対策をしているかをPRできます。会計人が日常業務として組んでいる、企業の経理資料の作成と同じ意味を持っているのです。

 江間 企業の経理サポートをしている会計人にとって、環境会計は、まさしく打ってつけの業務と言えます。環境問題については現在、金融機関で有志受入れの要素にしようと検討されています。さらに、生・損保でも、会社が環境対策をしていれば、保険料を割り引くなども検討されています。そのとき企業に要求されるのが、環境会計の資料です。環境会計を切り口にすれば、会計人のビジネスフィールドは広がるでしょう。

 ――環境問題の基礎知識を身につけるために、「環境プランナー」資格の研修コースが注目されていますね。

 江間 この資格は、「環境アリーナ研修機関」と東京大学の板生清教授が理事長を務めるNPO法人「ウェアラブル環境情報ネット推進機構」が共同で推し進めている資格です。講座は、大学、認定機関による研修の2種類から選べます。大学の場合、東京大学大学院をはじめ、大学の社会人向け一般講座などで受けられます。今のところ、社会人向け一般講座では、法政大学で始まっています。ほかにも有名大学で続々開始される予定です。

 井上 環境マネジメント支援事業に取り組んでいる(株)中央サステナビリティ研究所も、同資格の認定研修機関になっています。同社は、中央青山監査法人系列のコンサルティング会社なので、会計人が基礎知識を身につけるには適していると思います。

 江間 ISO取得の研修機関で有名な、(株)テクノファ(神奈川・川崎)でも研修を行っています。同社の場合、通信講座となっており、3日程度スクーリング参加が必要です。

 ――会計人が環境プランナー資格を取得すると、知識の習得度合によって大学で講師の道も開かれると聞きましたが。

 江間 その通りです。今後多くの大学で、「環境プランナー」講座が開かれます。そのため、講師不足が予想されるのです。とくに、環境問題は理科系の分野というイメージが少なからずあり、環境報告書、環境会計など文化系講師は皆無に近い。実際、井上先生も私も環境プランナー運営委員会のメンバーも東京大学大学院で教鞭をとっています。東京大学で、民間の講師がこんなに参加するのは異例だそうです。今後は、大学の社会人向け講座で、環境プランナー資格を取得した会計人に、ぜひ講師になってもらいたいです。

 井上 そのためにも、会計人にもっと環境問題について勉強してもらいたいですね。私も、初めから知識があったわけではありません。私の部下も同様です。私の部署では、年間研修費で数百万円使っています。それだけ努力しているわけです。

 江間 少しの努力で、顧問先も喜び、会計事務所も発展していくキッカケを掴めるわけです。環境問題は業種を問わず、あらゆる企業で対応しなければならない。これまで会計人の間で取り組んできた、医療特化、建設業特化などとはスケールが違います。ぜひ、積極的に取り組んでほしいものです。(「税理士新聞」より転載)

環境会計で税理士の出番

注目される新資格==u環境プランナー」

会計EXPO 2001

特別セミナー

環境貢献が企業・会計事務所の経営を拡大する

「国連ボランティア計画」後援セミナー

エヌピー通信社では来る7月24日(火)・25日(水)・26日(木)の3日間、東京・千代田区丸の内の東京国際フォーラムで特別セミナーを開催します。

年々、企業経営に重要性を増す環境問題のセミナーでは、「国連ボランティア計画」が後援を決定。

[第1部]高まる環境情報開示の重要性と

     環境プランナー

     中央青山環境法人 環境監査部長

     公認会計士 井上 壽枝氏

[第2部]環境貢献への参加

     環境アリーナ研究機構理事長 

     税理士 江間 泰徳氏

開催日時:7月24日(火)

     13:00〜16:00 

会  場:東京国際フォーラム

     ガラスホール6F.

     602会議室

受講料:10,000円

     (資料・消費税込み)

Nature Interface July 2001 86

87 Nature Interface July 2001

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