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[小特集] 次世代交通バリアフリーを可能にする! -- 富士通エフ・アイビー



小特集|拡大し進化をはじめたGISの世界

次世代の交通バリアフリーを

可能にする

歩行者用ITS

(高度道路交通システム)の実現

富士通エフ・アイ・ピー

次世代道路交通システム

または知的道路情報システムやインテリジェント交通システムなどと

呼ばれるITS(Intelligent Transport Systems )。

その開発と応用領域は、ナビゲーションシステムの高度な進化と並行するように

一般自動車、商用車、公共交通機関、さらには歩行者にいたるまで

多彩なサービスを実現しつつある。

なかでも、ウェアラブル機器・携帯電話やGPS

GIS(地理情報システム)を組み合わせた

「歩行者向けナビゲーション」は

その延長線上に交通バリアフリー、すなわち高齢者や障害者など交通弱者に対する

支援システムとなることが期待されている。

次世代道路交通システム、そんな交通バリアフリーシステム(歩行者用ITS)に

独自のテクノロジーとアイデアで挑む富士通エフ・アイ・ピー(株)の取り組みをレポートした。

下|歩行者用ITS(高度道路交通システム)のイメージ

携帯端末(PDA)やGPS、地理情報システム(GIS)などIT技術の進展やITインフラの整備によって可能になった高度道路交通システム(ITS)は、一般歩行者はもちろん、高齢者や障害者など交通弱者でも円滑・快適に移動できる歩行環境を提供するというもの。歩行者ITSの基本的な柱は次の3つ。まず「ポジショニング」。これはいつでも自分の位置を確認できる。そして「ルートガイダンス」。歩行者が目的地を検索するとそこまでの経路を表示し誘導してくれる。さらに「交通情報やタウン情報」。これはバスの運行・タクシーの待ち情報、イベントやショッピング情報などが検索できるもの。これらは情報端末で瞬時にアクセスでき、歩行者は街の混雑を避けたり、目的地まで複雑な経路をスムーズに到達できるのである。

それは

長野オリンピックから始まった

一九九八年二月七日から二二日まで長野市、山ノ内町、白馬村、軽井沢町、野沢温泉村の一市二町二村を会場に開催された長野冬季オリンピック。七二の国と地域から三七七六人が参加し、七競技六八種目が実施されたこのオリンピックは、主催者である国際オリンピック委員会(IOC)からも「すばらしい大会だった」という高い評価を受けたのは記憶に新しい。

 この長野冬季オリンピックで、ある画期的なシステムの実験的運用が実施され、専門分野においてこれまた国際的な評価を受けたことは、残念ながらあまり知られてはいない。

実験的運用を試みたのは、富士通エフ・アイ・ピー鰍ェ参画した「歩行者向け経路案内システム」だった。携帯端末とPHSを組み合わせた、いわゆる「歩行者用ナビゲーション」である。

 このシステムは、建設省主催のITSデモの一環として長野オリンピックの来訪者向けに実施された。PHS基地局の情報をベースに当事者の位置を特定し、その地点から目的地(競技場や表彰式会場など)に至るまでの経路情報をザウルス(シャープ)で確認できるというものであった。これによって、オリンピック開催地である長野市と二町二村の地理や交通にうとい来訪者(ことに外国人来訪者)も「最短の」あるいは「最も空いている」経路を選択して、迷うことなく目的地に到達することができたのである。

長野冬季オリンピックの運営に国際的な評価を得たという事実の陰には、この当時としては画期的な歩行者用ナビゲーションシステムがあったと考えるのは無理な話ではないだろう。

さらに進化したナビゲーション

ある国際都市の先駆的試み

長野オリンピックにおける「歩行者向け経路案内システム」の高い評価を受けて、それをさらに発展させたのが、富士通エフ・アイ・ピー鰍ェ提案する歩行者ITS(イラスト参照)である。これは歩行経路だけではなく「訪問順の検索」や「交通機関との乗り継ぎが可能」「車椅子対応」など、バリアフリーの要素を取り込んだ経路探索システムとして各方面から期待されているものだ。

 その大きな特長は以下の通りである。

@巡回経路が任意の地点で検索できる。

指定した順ではなく、組み合わせで最も効率的な観光ルートを検索。巡回ルートサーチは、パソコンのデジタル地図データ上で指定した複数の任意地点に対して、最も効率の良い巡回順を自動的に求めて、バスなどの交通機関も含めて地図上にルートと訪問先を表示。

A車椅子利用者への対応

駐車場情報からイベント、コミュニティバスの運行状況、車椅子対応の喫茶店やトイレの検索、駐車場料金支払いまでを対応。

などの優れた機能と特徴があり、さらにこれを発展・応用することによって、電車やバスとの乗り継ぎ情報の提供(現在位置から目的地と最寄駅までの歩行経路と駅間経路の情報提供)なども可能となっている。

歩行者交通バリアフリーに向けて

システムの進化が

飛躍的に行動範囲を広げる

たとえば、前頁イラストの歩行者ITSにおける車椅子利用者のある一日の行動をシュミレーションしてみよう。

(1)自分のクルマで駐車場へ。車椅子のため他よりやや広いスペースを割り当てられる。

(2)駐車場の大型ディスプレイには、目玉のイベントが実況中継中。情報端末(PDA)を借りて目的の店に近い停留所をチェック。コミュニティバスに乗り込み目的地へ。バスは低床なので、車椅子での乗り降りに不自由はない。

(3)コミュニティバスの経路は自治体と警察との協力によりバス優先信号が設置され、スムースに目的地へ。

(4)ウェアラブル機器でチェックした停留所で降り目的の店へ。店はやや奥まったところにあるので、ウェアラブル機器で停留所からのルートをチェック。

(5)買い物後、通りを散策。途中で立ち寄った衣料品店でシャツを衝動買い。

(6).買い物に疲れたので喫茶店で休憩。車椅子対応の喫茶店の位置やトイレを捜すのはもちろん手にしているウェアラブル機器で検索する。

(7)駐車場の大型ディスプレイで実況中継されていたイベントをついでに見る。

(8)バス停からコミュニティバスに乗り駐車場へ。

(9)駐車場でウェアラブル機器を返却して、駐車料金を支払い帰途につく。

というようなストーリーが成立する。

長年の課題であった公共交通機関のバリアフリー化は、交通バリアフリー法(二○○○年)の成立によって本格化することになった。これは対象を公共交通機関だけでなく、駅前広場や道路のあり方などについても踏み込んでいることで一定の評価を集めている。しかし、インフラの整備となると「これから」という感は否めない事実である。さらに二○○五年には六五歳以上の人口割合が一九・六%、さらにその一〇年後には二五・二%に達すると推計される今日、そうした高齢者や障碍者など交通弱者に「優しい街づくり」の整備は切実な問題である。これが実現すれば、上記のシミュレーションで紹介したように交通弱者の行動範囲が飛躍的に広がり、安心・安全な地域づくりができあがることになるのである。

もうひとつのバリアフリー

視覚障碍者への対応としての

GIストーン

車椅子利用者および高齢者のバリアフリーとともに、忘れてはならないのが視覚障碍者のための交通バリアフリーの構築である。これに対しては音声による経路誘導が最適である。

 音声による経路誘導(追跡・経路の音声案内)の概要を簡単に説明しよう。

@ウェアラブル機器に歩行者が行き先をセットする(音声入力対応)

A現在位置を特定。

a 屋外の場合はGPS利用。

b 屋外・地下街の場合はGIストーン(地理情報標石/経路誘導を助ける設置型インフラ)利用。

B情報端末で現在の位置から行き先までの経路を特定。

C歩行者の位置によって、ウェアラブル機器から音声案内を行う。

a GIストーン設置区域ではウェアラブル機器とGIストーンの間で通信を行いながら歩行者の位置を特定。必要に応じて音声案内を行う。

b GIストーン非設置区域では、定期的にGPSによって歩行者の位置を特定、必要に応じて音声案内を行う。

D経路案内サービスサーバとウェアラブル機器とのやりとりは、自前の線を使う方法と、携帯電話網を使う方式の二つが考えられる。

歩行者ITSが提供する

その他のサービス

富士通エフ・アイ・ピー(株)のITSへの取り組みは、自然災害対策、交通情報の提供や提供手段の多様化への対応、交通流の円滑化対策、環境負荷低減、そして交通弱者対策(障碍者、高齢者、土地に不案内な者)など多岐に及んでいる。そして今回は、交通弱者対策のジャンル、それも情報端末利用に話を絞って紹介してきたが、この他に将来、この歩行者ITSではどんなサービスが可能なのだろうか。以下、簡単に説明する。

●最寄駅の時刻表表示

最寄駅、停留所などの時刻表の表示。現在の位置と最寄駅までのおおよその所要時間を求め、乗車可能な列車・バスなどの時刻を表示する。

●タウン情報の表示

現在いる付近のタウン情報を表示する。デパートにいる場合などは、そのデパートに関する詳細な情報を表示する。

●歩行者ETC

歩行者の携帯端末と改札などに設置する無線装置の間で無線交信を行い、切符などを購入せずに自動的に料金を支払う。

●行政に関する情報の表示

行政全般に関する情報を表示する。現在いる付近の工事中の情報などといった道路情報を表示する。また、災害情報などを表示する。

●福祉に関する情報の表示

現在いる付近の福祉施設情報に関する情報を表示する。盲導犬など同伴可能な店舗などの情報を表示する。

●第三者の位置確認

特定の第三者が現在いる位置を表示する。

など、交通、歩行者、情報に関する極めて多彩なサービスと、その新しい方向性を示す多彩なサービスを提供できる体制を整えている。

 

音声による経路誘導イメージ

目の不自由な歩行者には「音声による案内」がもっとも有効だ。あらかじめ音声入力対応の情報端末に目的地をセットすることによって、すべて音声による誘導が行われ、安心・安全な歩行が可能になる。この情報はイラストの(a)で示した専用のラインを使う方法と、携帯電話網を利用する方法(b)が考えられている。

●車椅子利用者及び視覚障害者の人に対する経路探索サービス

歩行者ニーズに合わせた経路誘導

イラスト左|屋外の場合では、■■■で示した経路は、車椅子利用者の人に対して道幅の広い歩道を経路探索システムが案内するもの。一方、───又は─●─●─で示した経路は、視覚障害者のためにGIストーンが設置されている歩道を経路探索システムが誘導する。

イラスト右|屋内の場合では、ビルの1階から5階に行こうとするとき、歩行者の位置を把握するために歩行者の携帯端末と電波で情報を送受信するGIストーン(□──で表示)と、非常時に避難できるよう出口まで経路誘導するGIストーン(通路の●●●で示した)が設置されている。

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