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パスコの挑むHITO/GIS=GIS技術を応用したHUMAN INTELLIGENT TOTAL OBSERVATION SYSTEM
人体地図をつくる!! パスコ 小特集|拡大し進化をはじめたGISの世界
日本におけるGIS=地理情報システムの パイオニアの株式会社パスコでは、 長年のGIS技術の蓄積を背景に、 地理的空間でのベースデータ作成、 座標設定等を応用開発した、 人間の体に対する解析系の情報システムの 構築を展望している。 これはまさに、 GIS技術のフロンティアといえよう。 パスコでこのプロジェクトを牽引する GISフロンティア推進部の 佐藤充チームリーダーを訪ね お話をうかがった。
人の体を立体地図化する この試みは、まさに測量から地図を作成するように人体を図化していきます。 地図の場合は、航空写真や各種センサからのデータを基に対象となる地形や地物をデジタル情報化することで地図を作成していきますが、人間の体の場合は航空写真等のかわりにMRI等の人体透視画像を利用して「人間地図」の基礎を作っていきます。 これに立体座標を展開して人体の各部位の位置や病巣の範囲を座標値で表示していくのですが、人間の体を地図になぞらえると、血管や神経系は道路や河川等の線形表示物でGIS的に表現するとラインデータとして設定します。内臓諸器官はポリゴンとして設定します。 人間の体を三次元管理する必要からあらかじめ3Dモデルとして作成するのです。
立体座標系の展開 人間を地上のように測量するためには、体の中に基準点を設定しなければならないんですね。基準点を設定して初めて測定装置で測定できるようになります。 このことは、人間の体の中の重心を発見することを意味します。私たちの今回の試みでは、この重心の発見に大変苦労をいたしました。 人間の体を構成している骨は大半が左右対称であるがためにいろいろな物理的ストレスによって歪みが生じやすい構造になっています。その中で体のほぼ中心にあり、左右対称でない骨が仙骨であることを見出しました。 この仙骨を基準点(仙骨最下点)として対象となる人体に立体座標系を展開していくことにしたわけです。
人間の体に番地をつける MRIなどの人体透視画像を利用して立体座標を展開し、人体の各部位の位置や病巣の範囲を座標値で表示していく。これは、いわば地図に所番地を付けることと同じで人間の体に住所を持たせることを意味します。まさに人間の立体地図化です。 このことが病理範囲の解析や病巣の変化の予測の手法を大きく変化させ、数値とビジュアルの両面からのアプローチを可能にさせます。そして個体への対応を経験則をこえたものに、つまり単体観察の限界を突破し、病気に対するシステムとしてのアプローチを実現させていくことにつながっていきます。
人体シミュレータを作る 人体座標を用いて、人間の体を情報の系統ごとに区分し情報系統別のオブジェクトを作る。さらにそれを通じて 人体を管理できるデータを構成し、各種の実験などに活用できる、素材としての人体シミュレータを作成します。 具体的には、骨格系、筋肉系、臓器系、血管系、神経系ごとにオブジェクト・データを作成して管理システムを構成します。この手法はGISの世界で道路、河川、構造物等に区分して単独に作成しながらレイヤを重ねあわせるなどの基本的解析手法をはじめとする空間解析方法の、人体における展開といえます。
システムを考案した必然性 人間の体を立体地図化するこの試みはある意味で大胆ですが、GIS技術における空間情報解析技術の系統的な蓄積に支えられながら発想された水平思考によるGIS技術の新開拓領域(GISフロンティア)です。 背景には現代の医療現場が要求している様々な課題があります。それは、従来の医療診断は、医師の経験的判断に依存するところが大きく、さらに「科別診断」の専門化が進み、横断的、総合的な診断が実行しづらい状況が生じました。またインフォームドコンセント(診療に対する理解と同意を求める行為)の重要性が社会的に認知され、医学知識のない患者が理解できる説明が必要となってきていることと合わせて、医療教育現場でより精巧で詳細な人体のデータが求められている、というのもその背景のひとつです。 ――――――――――――――― 都市空間解析が経年変化から、リアルタイムに変化する事象を対象にしつつある事は都市空間を生物のように感知することを志向し、生物としての人体を地表の構造空間のように対象にすることは、対立するように見えて互いに交差する部分を通して新しい視点、手法の獲得が予感できる試みである。
株式会社パスコ(昭和24年7月設立、資本金87億円)は、計測測量事業(あらゆるものを測ること)、 情報システム事業(GISを利用したシステムを創ること)、 建設コンサルタント事業(ソリューションを提供すること)の3事業分野での技術を強化、融合し、ITを積極的に活用することで「地理情報サービス事業」、 「社会に真の価値を提供する企業」を目指しています。 1999年にセコムグループ入りし、セコムが目指す「社会システム産業」の一翼を担うべく、 GISをキーテクノロジーに据え、パスコ21世紀経営ビジョン「GEO計画(Great Evolution Originate)〜大いなる進化の創生〜」を基に、 世界最先端のフルデジタルセンシング技術やe-ビジネスの展開を積極的に推進しています。 パスコホームページ;http://www.pasco.co.jp
●佐藤充氏のプロフィール 1951年東京生まれ。 黒川紀章氏、三澤千代治氏に師事し「ヒューマンシステムコンポーネンツ」を専門領域とする。 現在、株式会社パスコ企画広報室長、地理情報システム学会「医療・福祉・環境分科会」代表。
図1
図2 骨格系オブジェクト 筋肉系オブジェクト 臓器系オブジェクト 血管系オブジェクト 神経系オブジェクト
中心座標点 X:nx Y:nx Z:nx
中心座標点 X:n Y:n Z:n
病巣の領域変化 nmm3
小特集|拡大し進化をはじめたGISの世界
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