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NIクラブ 時間のかたち -- 大峯 郁衣


NI Club...

NIクラブは、主婦の視点で、日々の生活の中での体験を綴ったものです。それぞれが様々な環境の中で、生活を楽しんでいます。

時間のかたち

大峯 郁衣

「定刻2分前5分過ぎ」が英国流の訪問の常識と教えられて以来、私の尺度となってきた。が、ラテンアメリカの友人の尺度は大いに違った。

 料理が冷めて水っぽくなり、私のイライラが嵩じてきた頃、1時間半も遅れて来たのに「やあ、お元気ですか」と笑顔の抱擁。招かれたパーティーでも、夜は10時、お暇の挨拶をすると、「僕たちはこれからが踊って本番さあ」と、また笑顔と抱擁。

 いつのまにか、時間とは、矢の如く直線的に進み、速くエネルギッシュに消費されるものと体得してきた私。だが、ラテンの人は、時間とは、あの『百年の孤独』(ガルシア・マルケス著)のマコンドの町の人のように、ぐるぐると円環的に無窮に営む人間の生の反復と捉えているのかもしれない。

 振り返ってみれば日本にだって、『万葉集』以来明治期まで、今日のような先進国民が普遍的に何の違和感もなく用いている「時間」の概念はなかった。ただ、ただ、四季折々の自然現象や風物に、「とき」の移ろいを託した用い方をしてきただけである。

「時間」がない、早く、速くの前進一途の鋭いテンポを、そろそろ、「とき」をしっかりと深める方向に変えて生活してみたい。進歩が達成された瞬間、私たちの地球が、マコンドの町の運命を追って蜃気楼のように消えてしまったということにならないためにも。

万華鏡

山内 恒子

 白磁器への上絵付けを愛好するチャイナペインター達の世界大会が、7月3日から5日間、テキサス州ダラスで開催され、私も参加した。この大会は2年に1度開かれ、今年は14回目に当たる。アメリカはもとより、日本、イギリス、中国、オーストラリアから約3,000人の仲間が集まった。今回のメインテーマは、Kaleidoscope(万華鏡)。会場のホテルに、バラエティに富んだ題材と色彩の作品が持ち込まれ、展示と上絵付けの実演が行われた。

 世界大会に提出された作品を見ていると、ペインターの出身地域の風土に強く影響されていることに気付く。たとえば、四季豊かなニューイングランド地方のペインターの作品は、色とりどりの花々や果実が深みのある色彩となって表現されていた。また、広大な草原が続くテキサスのペインターは、華麗な大輪の花を出展していた。これは、厳しい自然環境の裏返しとして求められた表現であろう。

 私は、今回初めて上絵付けの実演を行った。主催者から、何かしら日本を感じるような題材を取り上げてほしいという依頼があったので、琳派にヒントを得た芍薬の柄を花瓶に描くことにした。「日本的なものを」と頼まれて、「はい」と言えることが嬉しい。日本には、歴史と風土を背景にした独特の美があり、日本的な構図、そして日本を感じさせる色彩が伝統として存在しているのだから。珍しい日本の題材を取り上げた実演に対し、受講者から好評を得たのは幸いだった。

 私たちは身のまわりに在る美を賞賛しつつ、無い物に憧れる。世界各国のチャイナペインターが一同に会した大会では、各地域の歴史と風土の影響を幾重にも受けた色彩と構図が、無い物を補い、渾然となり、万華鏡の無限の美を生み出した。

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