NATUREINTERFACE.COM
ネイチャーインタフェイス株式会社 info@natureinterface.co.jp TEL:03-5222-3583
ネイチャーインタフェイス > この号 No.05 の目次 > P38-41 [English]

[開発最前線] 「SIIもう一つの顔」 SIIeソリューションの挑戦 -- セイコーインスツルメンツ











「SII もうひとつの顔」

ポピュラーなウェアラブルを思考する

外食業界を経由したコンシューマとの接点

SII eソリューションの挑戦

セイコーインスツルメンツ株式会社(SII)

CPUと表示部を腕時計に組み込み、

小型のキーボードと非接触電磁誘導でインタフェイスする世界初のウェアラブルコンピュータ。

1983年、SIIが開発&リリースしたコンピュータ付腕時計(腕コン)は世界に大きなインパクトを与えた。

その研究開発段階でウェアラブルコンピュータに関する独自の概念を確立したSIIは、

応用分野として外食産業界をターゲットとした

世界初のオーダーエントリーターミナル(ES-1000/1985年)に結実させることとなった。

そう「ご注文を繰り返します」端末を操作しながら

「ハンバーグランチおひとつにオニオンスープ。お飲み物はコーヒーですね」

すでにファミリーレストランではおなじみの、

あの業務フローとそんな光景の主役ともいうべき

レストラン用オーダリングシステムへと昇華させたのである。

今回は、少しだけ目先を変えて、

端末だけではなくPOS、経営支援システムへと発展し、

レストランだけでなく、居酒屋、ホテルなど、

幅広く外食業界で活躍する

SIIのeソリューションを、ハード&ソフトの両面から紹介しよう。

ES-1000

世界初のオーダーエントリーターミナル

(腕コン)UC-2000

SII 外食産業向けソリューション

 フロア、キッチンのスタッフがミスなく余裕をもって接客や調理にあたる。オーナーは日々の業務の中で収集したデータをもとに戦略的な経営にチャレンジできる。店舗を運営するすべての人間が働きやすく、お客様には満足してもらえるサービスを提供できる繁盛店。これがSIIの提供する外食産業向けソリューションの製品特性である。

 冒頭のリードで述べているとおり、外食産業では新たな展開の座標軸を模索して数々のアクションが試みられている。なかでも要望が高いのは、価格、メニュー展開、正確で迅速な配膳など、お客様に対して提供し得るサービスのさらなる向上と、その過程で発生するさまざまなデータを企業および組織全体で共有、連係させて情報の価値を高めることにより、一層の経営強化を推進したいというニーズである。

 世界で初めて外食産業向けオーダーエントリーシステムを開発したSIIでは、こうしたニーズに対応するため、すでに業界No.1の実績を持つ「オーダーシャトル」シリーズをはじめとした外食産業向けシステムをラインナップしている。そしてさらに、ソフトウェア、さらにはインターネット技術を組み合わせた経営支援ソリューション「e店Biz」を提供するなど、業界の要望に対応したハード、ソフトを含めたR&D全般、およびユーザーに対する二四時間、無休のバックアップ体制の充実を推進している。

 オーダーエントリーシステムに代表される、オーダーから調理指示、テーブル配膳、会計にいたる一連の流れを、時系列を軸とした垂直統合とすると、各店舗ごとに独立している縦軸を束ねて、本部、仕入先を含めて拠点間(各店舗も含めて)での情報を横断的に処理するe店Bizは水平統合であるといえよう。そして、これら垂直・水平の統合は、その環境構築も含めた、SII独自のITテクノロジーの上に成立している。

 これら各種機器&ソフト、さらにはサポート体制の構築にいたるまでのストーリーを、各部門のエキスパートの話を中心に進めていくことにしよう。

「お客様と二人三脚」の

ハードウェア開発ストーリー

eソリューション・ビジネス

情報システム事業部 商品企画部 IS開発課

主査 翁 茂孝氏

 腕コンの開発現場を体験した後、その新たな応用分野としてのオーダーエントリーシステムのハード開発にかかわりました。ES-1000・ES-3000と進化させて、現在ではSIIのeソリューションの各種ハードウェアの開発に携わっています。

 これらの開発を担当した者として強調しておきたいのは、「原点はSIIの腕時 計をコアとする携帯情報端末の技術にあり、お客様のご意見を伺い改良・改善を つづけるなかで、お客様とSIIの二人三脚で育ててきた」ということです。もともと腕時計は、小型、軽量、防水、低消費電力で数年間も動きつづけるなど、独自の技術を持っています。こうした基礎技術をベースに開発の過程で特に留意した点は、外食産業の最前線である店舗で機能する機器であるということです。

 店舗運営の効率化によるサービス向上、管理運営の効率化は基本の中の基本とし て、操作が簡単であること(アルバイトスタッフもすぐに使いこなせる)、湿気や油に接する厨房の環境にも連続的かつ長期的に機能しつづけること(故障しない)など、外食店舗で使いこなすための数々の機能やアイディアを搭載させました。しかし、システムの開発当初、レストランでは想像を超えた業務環境やそれに伴うアクシデントも多々ありました。

 たとえば……、納入したある店舗から思いも寄らぬクレームがあったのです。

 それは「調理指示伝票用プリンタが動かない!」というものでした。湿気や油 だけでなく、衝撃・落下・折り曲げ、タワシでゴシゴシ擦る、対通信ノイズなどプロトタイプの段階で想像を超える耐用テストを繰り返したはずの機械が、簡単に故障してしまったのです。これにはハード担当もソフト担当も愕然としました。

 徹底的に原因を検証するために機械を持ち帰り、開発にかかわったスタッフが 固唾を飲んで見守る中で分解すると、機械のなかから一匹のチャバネゴキブリが チョロリ。さらに作業を進めるといるわいるわ機械の中は、まさにゴキブリ天国です。居合わせた全員「ゾゾゾッ!」と寒けを感じたわけですが、これはプリンタの用紙の出口がゴキブリの出入口になり、彼らにとってはそれはそれは居心地の良い棲み家となり、さらにその中のお調子者がショートを起こしたことが原因だったのです。その後は、用紙の出口を小さく薄くするという物理的な改良はもちろん、チャバネゴキブリを飼育して、その電気抵抗値を調べたりと、開発部門は近未来を見据えた先端的研究?を続けたことは言うまでもありません。今後も、外食チェーン、あるいは居酒屋チェーン、ホテル、個店など、それぞれの業態、店舗環境、経営規模に対応できる多彩なハードをラインナップして、変化する外食市場にSIIの独自性を構築していきたいと思っています。

現場のニーズを徹底的に分析した

システム構築

eソリューション・ビジネス

情報システム事業部 商品企画部

ISシステム課長 山本 望氏

 八月一日の発表と同時にリリースを開始した「e店Biz」。そのコンセプトは、システム導入や維持管理コストを大幅に削減し、使いやすさを優先したIT環境づくりにあります。これまでのフードビジネス向けソリューションが、とかく巨大チェーンを対象としていたのに対して、このシリーズでは規模、業態なども含めて多様なユーザーの要望に対応できるものとなっています。

 このソリューションのコンセプトは、フロアスタッフはフロアスタッフの仕事を、厨房のスタッフは調理と盛りつけに技術と知識を注ぎ、本部のスタッフはビジネスの視点で組織運営を推進する。つまり「各部門の人材がプロフェッショナルとしてそれぞれの仕事に徹することが、本来のお客様サービスになつながる」というものです。例えば、ファミリーレストランと居酒屋では、メニューのアイテム、オーダーのパターンが決定的に違います。ファミリーレストランのお客様は、一回目のオーダーでほとんどすべを完了し、追加オーダーを入れることはまれです。これに対して居酒屋のお客様は「とりあえずビールにヤキトリ盛り合わせと煮込み」次に「チューハイと冷奴」というように、多様でしかも統一性のないオーダーを繰り返すという傾向にあります。また、これが非常に難しいのです が、一組のお客様一人ひとりの会計(ワリカン)を行う「個別会計」などの特有のオペレーションなども考慮しています。こうしたオーダー傾向の違いや商品アイテムの寡多を考慮して、それぞれの業種に最適なシステムを提案(構築)していくのが、ソフト部門の開発スタッフとしての主な業務になります。

 私の個人的意見としては、この開発のメインテーマとなるべきものは、外食産業 の最前線である店舗運営(垂直統合)と経営(水平統合)を合理的にインタフェ イスして、外食産業の新しい可能性を開拓する壮大なヒューマンテクノロジーだ と思っています。さらに、その中で無駄のない合理的な食材流通などを行い、最 終的にはITを通じて人と環境にやさしいシステムに育て上げることが大きな夢となっています。それは世界で初めてこの領域にソリューションを提供した企業としてのSIIの社会的な義務だと思っています。

二四時間体制の保守とサポート

(株)セイコーアイ・インフォテック

システムサービス部

サポート一課 井上淳一郎氏

 仮にシステムダウンというアクシデントに遭遇しても二重三重のフェールセーフによって支えられているSIIのeソリューション。とはいっても、過酷な環境下でフル稼働するハード&ソフトに不測のアクシデントがないとも限らない。ことに混雑する時間帯(つまり稼ぎ時)は、秒単位のなかでオーダーと調理、配膳会計というサイクルで稼働している。こうした状態でアクシデントが起これば、それは大事故ということになってしまいます。こうした事故を起こさないために、あるいは万が一のアクシデントに対しても、迅速で的確な対応が可能なよう、二四時間体制を敷いて豊富な知識と技術、経験でサポートしているのが全国七○カ所、スタッフ数約一○○○名を越える(株)セイコーアイ・インフォテックのカスタマー・エンジニア(CE)たちです。

 そんな私たち一○○○名強のCEたちのもうひとつの役割は、実際の稼働現場 でユーザーの要望や新たなニーズを開拓す ること。外食産業の最前線とも言うべ き現場。そこに密着した私たちに直接届くユーザーの声をフィードバックすることは、次世代のシステムづくりには欠かせないヒントとなっています。事実、SIIの技術スタッフ(ソフト&ハード)との交流も盛んで、そこでは積極的な意見交換がなされています。

 これは一般の消費者の方も感じることだと思うのですが、デフレ環境下にあるといわれる社会状況を背景とした外食産業界は、各店補がそれぞれのコンセプトで個性化を打ち出し、メニューを細分化させるという流れの中にあります。これは、私たちサポート担当の技術者にとっては、極めて細かい修理技術と幅広い知識を要求されているということです。チェーンの系列が違えばメニューも売れ筋も違うのは当然なのですが、同じ系列店でありながらメニューから料金設定までに微妙な変化を持たせている店舗も珍しくありません。こうしたなかで、サポート技術の標準化、技術者のためのヘルプデスクの設置、一つ一つの機器類のサポート履歴の明確化とそのデータベース化、ノウハウの蓄積など、現状のサポート体制をさらに充実させることで対応していきたいと考えています。

SII情報センター

ヘルプデスク

左から翁 茂孝氏・山本 望氏・

井上淳一郎氏

ハードウェアの機能&特色紹介

1. ウェアラブルの技術概念の標準化

 (ハンディターミナル)

 タッチパネル方式のカラー液晶表示を採用することで、さらに操作性を向上させている。10文字10段の大画面に表示されるメニューに触れるだけで多様なオーダリング情報を手軽に操作することが可能。

2. 無線プリンタとハンディターミナルのダブル通信を実現(ハイブリッドステーション)

 無線プリンタとハンディターミナルの通信は、ハイブリッドステーション1台で行える。プリンタは最大31台まで接続可能なので、キッチンの状況に合わせてプリンタの増設が容易。

3. 厨房スペースの有効利用を実現

 (無線プリンタ)

 配線をなくした無線プリンタ。操作パネルが本体と分離しているため、狭い厨房内でも自由な設置が可能。耐環境性も考慮しているため、厨房内での油煙、水、熱などの過酷な環境にも対応。

4. カラー液晶パネルでオーダー確認

 (マルチディスプレイ)

「いま必要な料理と数は」「料理の優先順位は」など、さまざまな調理指示情報を整理し、明確に、しかも分かりやすくキッチンに伝達。調理の完了もワンタッチで通知できるなど、厨房の効率アップとお客様の満足度向上に威力を発揮。

5. Windows NTとインターネットの採用でオープンな環境を実現(オーダリンクコントローラ)

 ハンディターミナル、ハイブリッドステーション、無線プリンタなどの構成機器をコントロールし、さまざまなデータを集中管理。ここから転送されたデータはWindows上で容易に加工できるので、本部ではそのデータをもとに、店舗別の売上管理やメニュー分析などの、情報管理が極めてスムーズに行える。

e店Bizの紹介

「e店Biz」は、店舗のみならず本部、仕入先まで含めた業務の効率化を実現し、外食産業のさらなる発展を目指すための経営支援ソリューションだ。高精度・高品質のハードウェアから、インターネット技術採用のフレキシビリティに富むアプリケーションサービス、24時間対応のサポートサービスまで、最先端のテクノロジーと高いサービスを組み合わせることで、システム導入や維持管理コストを大幅に削減できる。これまでは膨大なイニシャルコスト、運営管理コストがかかるため、大規模チェーン企業のみ導入可能であった経営支援システムが、より多くのチェーン企業で活用できるようになった。

1. 店舗経営マネジメントシステム

 「やりくり菜才」

 売上をはじめ2大コストである材料費と人件費を管理するための経営支援システムを「e店Biz」のコンセプトに基づき、ASPモデル(前述)で提供。パソコンのブラウザを使って「やりくり菜才」サーバにアクセスし、売上・予算・勤怠・シフト・商品管理の各種機能が利用できる。各機能が連係しているので店舗では自店の損益管理を、本部では全体の階層的な視線での管理が可能になる。

2. 正確・的確な受発注業務を簡単操作で実現「e食材.com」

 ファックス・電話での正確さを欠いた食材発注。本部と店舗、さらには仕入先と、それぞれのポジションで多くの問題が生じてきた。インターネット食材受発注システム「e食材.com」は、食材・備品の受発注システムをASPモデルで提供し、本部・店舗・仕入先がそれぞれ相互に受発注を管理することを可能にした。また、分かりやすいアイコン主体の操作画面なので、導入と同時にスムーズな受発注ができるようになっている。

オーダーシャトルneo

「e店Biz」全体図

report

●●●

natureinterface

NATUREINTERFACE.COM
ネイチャーインタフェイス株式会社 info@natureinterface.co.jp TEL:03-5222-3583
-- 当サイトの参照は無料ですが内容はフリーテキストではありません。無断コピー無断転載は違法行為となりますのでご注意ください
-- 無断コピー無断転載するのではなく当サイトをご参照いただくことは歓迎です。リンクなどで当サイトをご紹介いただけると幸いです
HTML by i16 2018/06/24