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シンポジウム「野生と技術のコミュニケーション」 -- 地球環境財団


【地球環境財団から】

シンポジウム

「野生と技術のコミュニケーション

―環境科学とIT」

今回は、10月に開催された

このシンポジウムをご紹介します。

次号で詳しく展開する予定です。

技術が野生を明らかにする

 最近の科学技術の発達により、これまで不可能であったいろいろな生物・環境情報の収集や解析が可能になってきている。長距離を移動する渡り鳥の追跡、広範囲にわたる生息環境解析、遠隔地からの生態・行動情報の収集・蓄積などがその例である。

 今、これらの技術や方法は、何をどこまで明らかにすることができるようになっているのだろうか? また、今後、どのような方向性を持って発展していくのだろうか? 

 このシンポジウムは、現在、関連の分野で進行中の最先端の研究を紹介したものである。技術や方法の仕組みから始まって、研究事例、費用の問題、今後の展望と課題などが活発に討議された。

 また、講演後に行われたパネルディスカッションでは、生物・環境科学にかかわる研究者だけでなく、関連の技術者、国や地方の行政担当者なども招き、この方面の事柄の課題や発展性などについて広く議論し、情報交換がなされた。

【講演1】

樋口広芳(東京大学大学院・生圏システム学)

「渡り鳥はどこからどこへ

〜人工衛星を利用した渡り鳥の移動追跡」

 鳥類の中には、片道数百キロメートルや数千キロメートルの季節的往復移動、渡りをするものが少なくない。これらの渡り鳥は、飛翔という特性を生かして遠隔地まで渡り、つねに好適な生活条件のもとで暮らすことができている。しかし、鳥たちがどこをどのように経由して渡っているのかは、人間がそのあとをついて行けないのでよくわかっていない。

 近年、人工衛星を利用した渡りの追跡研究が進展し、中型から大型の鳥類では渡りについてのいろいろな情報が得られるようになってきている。その結果は、対象鳥類とその生息環境の保全にも大きく貢献している。この講演では、衛星追跡の仕組みや研究事例、保全への適用例などが紹介された。

【コメンテーター】竹村真一(東北芸術工科大学)

【講演2】

内藤靖彦(国立極地研究所)

「ペンギンやアザラシは

どうやって食物をとっているか

〜データロガーを利用した生態・行動情報の収集と解析」

 生物が環境に適応し、生命を維持している仕組みについて多くが知られている。しかし、生命現象を明快に説明できるほど十分ではない。たとえば水中で行われる動物の行動情報は非常に少ないが、それは水中の行動を調べる手段が少ないためであった。

 そこで動物に装着できる極めて小型のデータロガーを開発し、水中の行動を探ってみると、新しいことが次々に明らかになった。ここでは、最近明らかになったペンギンやアザラシの行動について紹介された。

【講演3】

大隅清治(日本鯨類研究所)

「クジラは大海原をどのように利用しているか

〜人工衛星を利用したクジラの生態・行動解析」

 海洋は広大であり、そのなかにあって鯨類、とくに大型鯨の生活圏は大きく、海洋を立体的に利用して生活している。しかも遊泳力に優れていて昼夜を問わず移動するので、彼らの行動や生態を船舶により直接に追跡するのは実際的に困難である。

 それを解決する調査手段として優れているのが、人工衛星を活用した電波標識法である。近年いくつかの鯨類に対して試みられ、種々の手法上の問題点があるものの、興味深い成果をあげている。

【コメンテーター】板生清(東京大学大学院・環境学)

【講演4】

百瀬 浩(国土技術政策総合研・緑化生態)

「コンピュータでつくる生きものの保全計画

〜地理情報システムによる生物の生息環境解析」

 近年、GIS、GPS、リモートセンシングなどの技術の発達により、生物の分布や生息環境など、空間的な広がりを持つ情報の解析が容易に行えるようになってきた。これらのデータを処理するためのソフトも、最近ではパソコン上で手軽に使えるようになりつつある。

 この講演では、百瀬氏が行っている栃木県での猛禽類の研究が紹介された。現地で実際にどのようにデータをとり、それをどうコンピュータ上で処理しているかを見せることで、GISを用いて環境を解析し、生きものの保全計画へと結びつけるための技術の可能性が示された。

【講演5】

原 慶太郎(東京情報大学・環境情報)

「国や地域の自然情報をどう伝えるか

〜生物・環境に関する情報基盤の整備と利用」

 生物の多様性を保全するために、地球規模で生物情報を収集し公開するというプロジェクトが進行しつつある。その基本となる地域の生物の生息環境や分布情報をどのように収集しデータベース化するのか、さらに、その情報を行政や研究者、そして市民がどう共有し、野生動植物の保全に結びつけたらよいのか、このために必要とされる情報基盤について紹介された。

【コメンテーター】笹岡達男(環境省・生物多様性センター)

 

「野生と技術のコミュニケーション―環境科学とIT」

開催日時:一〇月二〇日(土)一三時〜一八時半

開催場所:日本教育会館 一ツ橋ホール(千代田区一ツ橋二・六・二)

主催:(財)地球環境財団

後援:農林水産省、環境省、文部科学省、国土交通省、宇宙開発事業団、日本自然保護協会、日本水産学会、日本動物学会、東京都環境局、日本野鳥の会

協賛 小学館、NTTデータ

●問い合わせ先

(財)地球環境財団

〒162-0003 東京都新宿区市谷薬王寺町52-5 宮尾ビル2階 

Tel 03-5369-4821

Fax 03-5369-4825

ホームページ http://www.earthian.org

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