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ネイチャーインタフェイス > この号 No.06 の目次 > P56-57 [English]

[NIヒューマンインタビュー] -- 加藤 雄一



[NIヒューマン・インタヴュー]

株式会社アドバネクス

加藤雄一氏

株式会社アドバネクス 代表取締役社長

[聞き手]

板生清

本誌監修

加藤雄一[かとう・ゆういち]

一九五〇年、東京生まれ。

七二年、立教大学卒業。(株)加藤スプリング製作所入社。

海外事業部長などを経て八三年常務取締役、八七年より現職。

著書に『オプションマネジメント』

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Human

Interview

「なるほど!」の提供をミッションとして

板生===緑の多い明るいオフィスですね。

加藤===ありがとうございます。それに、今日は「ネイチャーインタフェイス」の取材ということで、ネイチャーネクタイ(植物模様)を着けてきたんですよ(笑)。

板生===アドバネクスと改名される前は、会社名を「加藤スプリング製作所」といわれましたが、ばねの製造を原点としていらっしゃるわけですね。

加藤===ええ。はかりやカメラ、事務機器などのなかの精密な線ばねをつくっていました。その後、プレス技術を導入することによって板ばねを製造するようになり、今ではばねの生産の四分の三は板ばねとなっています。

 そして、抜く・削る・くっつけるといった技術を取り入れ、またプラスチックなど金属以外の素材も用いるようになって、今は線ばね・板ばねという言葉ではくくれないような、さまざまな製品への展開が可能になりました。すなわち、開くとキーボードが浮きあがる超薄型ノートパソコンの部品や、フリップタイプの携帯電話の折れる部分のヒンジ、携帯電話音楽配信の受信用メモリスティックのユニット、携帯電話に内蔵するアンテナ、液晶画面のついたビデオカメラの画面の付け根の駆動部、などなどです。

板生===ばねから、精密部品へと拡張された。

加藤===そうです。それに、部品からユニットへという転換もしました。部品をつくる場合でも、極小かつ耐久性に優れたものをつくるために技術開発をするわけですが、ユニットには、単一の部品とは比べようもなく工夫の余地があるのです。その一例を図に示しています。それが、単に製品を製造・販売するということだけでなく、uなるほど!」を提供≠キることへも発展していくと考えています。

板生===「なるほど!」を提供≠ニいうのは。

加藤===我が社のミッション≠そう表現しています。それに対して、Aイデア&ソリューション・デザイン≠ドメイン≠ニしています。これは、単純に受注を受けて生産するというのではなく、受注に先行して技術開発や商品開発(idea design)をしたり、ゲストエンジニアリングをしたり顧客(パートナー)の問題を解決する提案(solution design)をしようとする考え方なのです。

板生===「なるほど!」(笑)

 そういった変化を受けて、社名も「アドバネクス」と変えられたわけですね。この名前の由来をお聞かせいただけますか。

加藤===アドバネクスというのは、advanced+nextを意味する造語で、事業内容そのものではなく、時代の先を読んでアグレッシブに計画・開発していこうという企業姿勢・経営姿勢を反映させています。現に線ばねから精密部品へと製品の範囲を広げてきたように、事業内容はつねに変化していくものですから、限定的な事業内容を含んだ名前では、持続するブランド名たりえませんからね。

板生===おっしゃる通りです。ただ、少し抽象的な印象も受けますが。

加藤===たしかにそうかもしれません。そのため、先ほど申し上げた企業ミッション≠粽ドメイン≠フ明示が大切になってくるわけですね。

 この社名は、CI(corporate identification)ではなくCFC(corporate future creation)を意図してつけたのです。我が社はこういう会社です、という枠を定義し説明するような名前ではなく、こう進んでいこう、という方向を表した名前だということです。重要なのは、名前そのものではなく、そこに付随するイメージの方ですから。

板生===ブランドの力ってありますからね。

加藤===そうでしょう。製品そのものにプラスして、安心や納期補償といったサービス体制、新しい技術やアイディアの情報提供までを含めて、アドバネクスのブランドにしていきたい。ですから、メーカーでありながら、サービス業的な側面を重視していくつもりです。

板生===突出した一部分(key components)にものをいわせる方法ではなくて、サービスを含めた部分部分とそのつながりを皆包括した全体(system integration)を大切にする方法ということですね。

海外経験を経営に生かす

板生===ところで、先ほどから気になっていたのですが、こちらは何の記章なのですか。

加藤===YPOの記章です。

板生===YPOというのは……

加藤===Young Presidentsユ Organizationのことで、全世界の若手経営者八千人ぐらいが集まって、education & idea exchangeをやろうという会です。もうyoung(五〇歳卒業)でもなくなって、今はメンバーではないのですが(笑)。

板生===見せていただいてよろしいですか。……すごいですね。国内外の支部や全体で、議長やプレジデントを歴任されて。YPOでのご経験は、実際の会社経営にもさまざまなかたちで活かされていることと思います。

加藤===たしかに、ビジネスの世界で非常に有力で、社会的ステータスもある錚々たるメンバーと、ディスカッションしたり交流したりできたわけですから、それだけでもとても刺激的で意義のあることでした。

 それに、コミュニケーションツールとしていち早くITネットワークを取り入れたのも、YPOの影響でした。まだノートパソコンも使っていない時代に、当社は、ロータスノーツを用いたりしていましたからね。

板生===海外進出の野望といったものは、young(笑)なころからおもちだったのですか。

加藤===海外には、学生のころから興味をもっていましたね。カリフォルニアのオフィスは先代の時代にできたのですが、私はそこで第一号海外出向社員として働きました。そのときには、あえて日本人のいないような床屋やアパートを選んだりしていましたよ。そのように現地の人と多く関わったことが、後になって、人や、人から成る組織を動かすという面に、大いに役立ちましたね。というのも、会社への忠誠心一辺倒ではない新人類≠ヘ、かなり外国人≠ノ近いところがありますから(笑)。

板生===現在は海外拠点も大分増えているようですね。 加藤===はい。アメリカやヨーロッパ、アジアの各地に生産・販売の拠点があります。

板生===それだけ多く海外拠点をおもちですと、グループ経営という点でもテクニックが必要になるのではないでしょうか。

加藤===我が社はサポーティングセンター型親会社・自立型子会社というコンセプトでやっていまして、親会社が子会社をコントロールするような方法はとっていないんです。また海外の子会社にはトップから一般社員まで現地の人達が活躍しています。

板生===なるほど。

加藤===もちろん、自立型子会社という考え方は、欠点が全くないというわけでもないですが。なにか問題があったときに、なぜ親会社が対処しに出てこないのかとか、日系企業なのになぜ日本人がいないんだ、といった苦情もたまにありますから。

 しかし、日本人中心の海外進出は、最初のうちはよいかもしれませんが、新しいことにどんどん挑戦するためには、人材不足になるなど、いつか壁にぶつかります。種を蒔いて花が咲いて、それで終わりというのではなく、蒔いた種から実ができて新しい種がこぼれていく――そうでなくてはと思うんです。

板生===本日は、変化の激しい現代に、ばねのようにしなやかにのびていくことを念頭に置かれた経営姿勢についてお聞かせいただきました。

 ありがとうございました。

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