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(P54) モノづくり不思議教室 株式会社デンソー
カーボンナノチューブの成長 平面ディスプレイ、燃料電池車用水素吸蔵材など、幅広い応用が可能
カーボンナノチューブは直径がナノメートル(一〇億分の一メートル)の大きさのC原子だけからなる円筒状の物質である。この物質は特異な物性をもつことで注目されており、低消費電力の平面ディスプレイ、燃料電池車用の水素吸蔵材といった応用が期待されている。 カーボンナノチューブの製法には、主にアーク放電法、レーザー蒸発法、化学気相成長法が知られているが、近年、SiCを真空中で加熱することで作製できることが報告されている1)。SiCを真空装置中(10-4Pa)で加熱すると表面からSiが蒸発し、残ったCがカーボンナノチューブを形成する。 カーボンナノチューブの応用を実現するためには形成メカニズムを明らかにし、直径、長さを自由に制御できることが必要となる。今回デンソーでは、透過電子顕微鏡によりSiCからカーボンナノチューブが成長する様子を捉えることに成功した2)。 加熱温度を一五〇〇℃とし、真空装置中で二〇秒間加熱した後の電子顕微鏡写真を(A)と(B)に、三分間加熱した後の写真を(C)に示す。この写真から板状のグラファイトが円筒状のナノチューブへ変化し、成長する様子が明らかとなった。 この成長過程をさらに原子のレベルで詳細に解析し、ナノチューブの直径、長さ、先端形状(開いているか、閉じているか)、密度、層の数などを制御することによって、幅広い応用につながると期待される。
(写真キャプション) カーボンナノチューブの成長
A グラファイト
B ナノチューブ
C ナノチューブの内部層
カーボンチューブの成長モデル
1) M. Kusunoki, M. Rokkaku, T. Suzuki: Appl. Phys. Lett. 71(1997)2620 2) H. Watanabe, Y. Hisada, S. Mukainakano, N. Tanaka: J. Microsc. 203(2001)40
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