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[開発最前線] トップが語る未来展望 -- セイコーエプソン






(P60-61)

セイコーエプソン株式会社

取締役社長

草間 三郎 氏

半導体、ディスプレイ、水晶デバイスを手がけるセイコーエプソンの電子デバイス事業は、超低パワー、省スペース、短納期開発で顧客企業のエナジーセービングに貢献している。これを可能にしているのは、ものまねを排した独自技術と、徹底した「選択と集中」による差別化戦略だ。そのセイコーエプソンが、開かれつつあるブロードバンド時代に向けて、どんな貢献の準備を進めているか。草間三郎社長に聞いた。

ブロードバンドにいち早く対応

追随許さぬ超低パワーで差別化

完成品も強いデバイスが決め手

他社と明確に差別化できる仕様が基準

―― セイコーエプソンは、一般消費者にはプリンタなどで親しまれていますが、電子デバイス事業はどのように位置づけていますか。

草間 エプソンの主力は映像も含めた情報関連機器です。しかしプリンタにしてもこれから出していく新商品にしても、それが強い商品であるためには、そこにどれだけ強いデバイスが使われているかが勝負なのです。エプソンは明らかに差別化できるデバイスが入っている商品しか出していません。デバイスと完成品がシナジー効果を発揮して、究極的に優れた商品になる。そのためにデバイスは非常に重要な役割を果たしています。エプソンはデバイスを外部にも販売しており、売上高に占める比率もかなり高いですが、本来のミッションはそういうところにあるのです。

―― 競争力の要(かなめ)になっているわけですね。

草間 エプソンの電子デバイスの強みは、超低パワーだということです。他社と同じようなものは出しません。例えば液晶で注目されている低温ポリシリコン。エプソンは他社に先駆けて研究開発をスタートし、いま市場に出ているレベルのパネルはいつでも出せますが、高精細でコストが安いというだけでは他社と差別化できません。パワーが他社より圧倒的に少ないというレベルまで仕上げてから市場に出します。

カラー化へCrystal Fine好調

水晶製品の高周波化でも先行

―― このところ一番力を入れている商品は何ですか。

草間 ディスプレイではパッシブタイプ、アクティブタイプとも高画質、高精細と超低パワーで差別化を図った「Crystal Fine」の製品群に切り替えていますが、これは期待できると思います。遅れていたカラー化の進展が、今年から来年にかけて、日本だけでなくヨーロッパ、中国、東南アジアあたりでも、最近まで考えられていたタイミングより早まると見ています。

―― 今年はどんな新商品を出しますか。

草間 水晶デバイスはブロードバンドでギガヘルツ、それも2ケタのものが使われるようになります。その場合、基準発振源である600メガヘルツ帯が要求されますが、エプソンではSAW技術を用いた独自方式によってこれを作り出すことができました。この独自方式で、さらに高い基準発振源を狙っていきたいと思います。

イメージセンサーで近く新商品

画質CCD並み、パワーCMOS並み

―― 半導体はどうですか。

草間 CMOSセンサーの一種で、特殊なACDTセンサー(Advanced Carrier Detection and transfer Technology)を近々商品化します。これは携帯電話やデジタルカメラに画像を取り込むイメージセンサーですが、画質はCCD並みでパワーはCMOS並みですから、従来のCCDやCMOSセンサーは、ACDTセンサーに置き換わっていくと思いますよ。

各種インターフェースに力点

USB2.0の認証取得

―― ブロードバンドの時代となりました。新しい市場の開拓も考えていますか。

草間 ブロードバンドの時代が到来し、常時接続型の低価格で高速インターネット接続のインフラが整備され始めています。これからは、家電やホームセキュリティーがネットワークに接続されてくると思います。エプソンは低コストであらゆる民生機器にネットワーク接続機能を容易に追加できるTCP/IPプロトコル処理機能を内蔵したネットワークコントローラー「SIS60000」を新開発し、2月から量産出荷を開始します。この商品はIPv6の対応も予定しています。

―― 微弱無線も注目され始めていますね。

草間 ええ、赤外線に代わる通信手段として注目されています。家庭のみならず、オフィスや工場のエレクトロニクス化に合わせ、一層需要が拡大すると思います。エプソンは、小型・低消費電力の微弱無線データ通信モジュールを開発し、4月から販売を開始します。微弱電波ながら通信距離50m以上を可能にしています。

―― デバイスコントローラーではUSB2.0の認証を取られたようですね。

草間 はい。最大480Mbpsでのデータ転送が可能なUSB2.0に対応したコントローラー「SIR72003」を開発し、昨年USB-IFによる認証試験に合格しました。特定用途に適したコントローラーを順次商品化していく予定で、例えばパソコンとプリンター、スキャナー、外部記憶装置との間でデータ転送を高速で行うことが可能です。この製品は従来から販売しているIEEE1394「SIR72803」などの各種インターフェースに加え4月から量産出荷します。

トータルソリューションで

開発期間短縮に貢献

―― ユビキタスネットワーク社会の開花に向けて素晴らしい技術的準備が進められているわけですね。その夢から現実に帰るようですが、最近の受注の動向はいかがですか。

草間 今年はディスプレイと水晶の立ち

上がりは早いと思いますが、半導体は時間がかかりそうな気がします。もっともこれは、いいところと悪いところが分かれると思いますが・・・・。

―― 景気低迷の中、営業的にはどんな工夫をしていますか。

草間 エプソンの電子デバイス事業はほとんどカスタム対応でやっており、そのフレキシビリティーが強みなので、顧客対応力をいかに高めるかがポイントです。我々は携帯電話やディジタル家電などアプリケーションごとに、ファームウエアからソフトウエアに至るまで、その機器を熟知しているセールスエンジニアが、その機器に必要なデバイスについてトータルにソリューションを提案することで、顧客の開発期間短縮などのニーズにこたえています。

 顧客はスペックが固まらないうちから、商品のコンセプトをメモレベルで相談してこられるので、エプソンの方でスペックも決めて提案することもあります。そういう段階からのデザイン・インなので、セールスエンジニアには高度かつ幅広い専門知識が要求されます。エプソンにはそういう顧客対応にこたえられる人材が多いことも強みになっています。

電子デバイス営業本部 ED販売促進部

〒191-8501 東京都日野市日野421-8

TEL.042-587-0222 FAX.042-587-5266

E-mail edevice@epson.co.jp http://www.epsondevice.com/

日経ビジネス1/21号・日経エレクトロニクス1/28号「飛躍する電子部品産業特集」に掲載

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