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(P70-71) パキスタンの民族植物紀行 イスラマバード近郊の薬用植物を中心に
───世界の生き物
渡辺高志(北里大学薬学部) 秋濱友也(アグリバイオ研究所)
昨年のニューヨーク同時多発テロ事件以来、アフガニスタンの隣国パキスタンは世界の人々の注目するところとなっている。 パキスタンは地球の代表的な4つの自然環境を国内に持つため、約6000種もの植物が自生している。 また、パキスタン固有の顕花植物6属410種のうち、78%が標高1200m以上の山岳地域に分布している。 本報告は2000年10月イスラマバードに入り、北へ80kmのナティアガリ国立公園で自然環境地域薬用植物の調査を行った その結果、香料植物を含め250種の薬用植物が確認できた。パキスタン全土では約700種の薬用植物が知られている。 平和到来とともに、アフガニスタンも含め、ヒンズークシ、カラコルム、ヒマラヤ山脈地域の有用植物遺伝資源の人為的消滅を最小限に守ることこそが、我々のかかえた緊急課題である。
(P70写真キャプション) 標高583mのパキスタンの首都、イスラマバード。
ヒマラヤを代表する大型マツPinusgerardianaは松ぼっくりも大型で、25cmもある長楕円の球果を上向きにたくさんつけていた。
イスラマバードの街はパンジャブ州の北端に位置し、市内は時折馬車が行き交う。
インドトチノキAesculus indicaの上部にたくさん実っている。西ヒマラヤでは普通に見られるが、東部ネパールでは希である。
買い出し客で賑わうイスラマバードの朝は早い。香辛料を売る店主。
トウダイグサの仲間。
(P71写真キャプション) イスラマバードの北部、ナティアガリ保護地域の針葉樹林。
ヒマラヤイチイTaxus wallichiana(イチイ科イチイ属):アルカロイドtaxol,taxine,miliossineのほか、配糖体taxicationを含み、乳癌、卵巣癌の抗癌剤となる。
スミレの仲間。薬用にするスミレの仲間は珍しい。パキスタンでは香料植物として輸出されている。
乾燥に耐えるキク科のクリサンテマムChrysanthemum sp.の仲間。
2000年初夏、ナティアガリ谷に生育する薬用植物について調査したが、パキスタン全土に生育する約700種の薬用植物の50%にも満たなかった。
ナティアガリ周辺の国立公園内にある世界自然保護基金(WWF)事務所付近の森林。
ウラシマソウの仲間、有毒であるが水でさらして食用にする。
ここでは、WWF事務所に派遣されている大学生を共同研究者である職員が指導している。
スキミア・ラレオラSkimmialareola(ミカン科スキミア属):かつて葉を天然痘に用いた。乾燥した葉を燃やし、煙を焚くことで空気を浄化し、食品の風味づけに用いる。
外食のためのレストランは国立公園内にはなく、女子大学生らが昼食を準備してくれた。
仏教の伝来とガンダーラ仏教美術の発祥の地、ペシャワール。
ガンダーラ仏教美術の遺跡。
イスラマバードでの生薬市場調査では、1週間という短期間にも関わらず香料植物を含め、およそ250種の薬用植物を確認することができた。
イスラマバード近郊の湖で夜明けを待つ。手前はアシの仲間。
客が処方せんを持っていくと、生薬店で量り売りをしてくれる。
もちろん店員オーバーであるが、客が小型バスの屋根にも乗り、ひたすら目的地を目指し高度を上げていく。
首都近郊の街では、ラクダが物質を運ぶ風景をよく見かける。
パキスタンの環境問題は国際的にあまり注意が払われていないが、かなり深刻な事態にある。レンガ工場から排出される黒煙は空高く消えていった。
ラワルピンディの農家の家族。
首都近郊の村は感慨により、緑豊かでミカン栽培が盛んである。
(有)アグリバイオ研究所 206-0011 東京都多摩市関戸1-1-5 ザ・スクエアA310 TEL&FAX042-372-5365
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