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[連載] 世界の生き物 サクラ遺伝資源保存林における自然雑種 -- 染合 正孝+秋濱 友也






















(P070-073)

連載 世界の生き物

染合正孝(前東京農業大学)秋濱友也(アグリバイオ研究所)

サクラ遺伝資源保存林における自然雑種

昭和天皇陛下のご助言とその実証実験について

 昭和60年4月16日、先の昭和天皇陛下は、農林水産省多摩森林科学園のサクラ保存林で生涯最後のサクラを鑑賞されました。陛下は山頂あたりのサクラ林を望まれ「ここではずいぶん雑種ができるでしょうね」と、生物学者として鋭い助言を述べられました。

 その後「昭和天皇陛下の遺言の研究」と称して、林内にある多くのサクラから母樹を決め、自然交雑による雑種形成実験に取り掛かりました。ヤマザクラ、シュジャク、カンヒザクラなどの母樹から苗をつくり、10年生の子ども群を観察すると、正常な樹形の母樹から偶然にシダレの苗が出現しているのがわかりました。さらに形態調査をおこなったところ、花の形態にも一重、八重、白、紅色と大きな変異が認められ、新品種育成の可能性が示唆されました。陛下のお言葉である「雑種形成についての実証」が得られたのです。

 日本のサクラは、奈良時代(6―7世紀)から日本各地のいろいろな珍しい種類が中央に集められ、自然交雑によって多様な品種が生まれたといわれています。古い品種としては奈良八重桜、関山、普賢象などが知られています。

Tomoya Akihama

アグリバイオ研究所

〒206-0011 東京都多摩市関戸1‐1‐5

ザ・スクエア A310

Tel&Fax 042‐372‐5365

e-mail : akihamat@d9.dion.ne.jp

(070写真キャプション)

多摩森林科学園のサクラの保存林。6haに約250品種、1800本のサクラが咲き競っている

(071写真キャプション)

多摩森林科学園の前身は、

大正11年に発足した皇室の森林研究所。

昭和60年4月に昭和天皇陛下が

生涯最後のサクラを見学された折のスナップ。

左上は旧庁舎、右下は質素な貴賓室

シュジャク2母樹の自然雑種苗にみられる花形変異。上段2枚は八重化の個体。下段は普通の花形変異

ミカドヨシノの自然雑種苗に出現した

シダレ形質の分離。左は正常型、右はシダレ

(072写真キャプション)

奈良・平安時代から伝わるといわれる古い品種

A.ナラノヤエザクラ

B.カンザン

C.フゲンゾウ

日本のサクラの故郷はネパールのヒマラヤ地帯である。

首都カトマンドゥから東へ35km、ドリケルの古都とヒマラヤザクラが美しい。

この地の標高は約1500m

ヒマラヤザクラは蜜が多い。このことをネパールのサルはよく知っており、吸い方も上品だ。

その様子は気品があってまるで貴族のように見える

(073写真キャプション)

ネパールのヒマラヤザクラの樹形。

標準的な樹高は、およそ10m。下枝が薪に利用されている

熱海市下多賀の静岡県立高校のグラウンドに

ヒマラヤザクラがある。

このサクラの由来は、当時のネパール国王が

1968年に種子を送ってくださったものである

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