NATUREINTERFACE.COM
ネイチャーインタフェイス株式会社 info@natureinterface.co.jp TEL:03-5222-3583
ネイチャーインタフェイス > この号 No.09 の目次 > P78_79 [English]

NI Report ココセコム 移動する人・車を検索する



(P78-79)

NI report

ココセコム

移動する人・車を検索する

安全神話が崩れはじめた日本において、

盗まれた愛車や、

大切な家族の位置を検索するサービス

「ココセコム」が注目されている。

ホームセキュリティから移動する人・車両まで

 誘拐や通り魔事件など、最近の日本には一昔前では想像できなかったような物騒な事件が多発し、またそれに比例するように、自動車の盗難件数も急増している。自動車盗難の認知件数は、二〇〇一年で六万三二七五件で、前年と比べると、一二・五パーセント増加。これに伴い、当然、自動車保険の支払い保険金も増える。日本損害保険協会によると、二〇〇一年度上期(四〜九月)は、前年同期と比べて一五パーセント増え、三〇七億円にのぼるという。

 「水と安全がタダの国」といわれた日本の安全神話が崩れつつあるわけだが、そんな背景から登場したのが、ホームセキュリティの最大手、セコム株式会社の人とモノの位置を検索するサービス「ココセコム」だ。

 同社は一九六二年七月、日本初のセキュリティ会社、日本警備保障株式会社として誕生。当初は人による警備をおこなっていたが、四年後に日本初のオンラインによる安全システム「SPアラーム」を開発、機械による警備を確立した。セキュリティサービスの対象が企業だけでなく、一般家庭にも開始されたのは、八一年のこと。そして昨年四月、移動する人物・車両向けセキュリティサービス「ココセコム」がスタート。ついに人とモノのセキュリティまでもカバーするに至った。

 ココセコムが誕生する背景には、すでに設置されたセキュリティのネットワークやノウハウを活用することができたこと、そして一般消費者からの強い要望があり、安全は自ら守るという時代に日本が突入したという背景がある。

検索範囲・精度の向上、端末の軽量化

 衛星を利用し、人や車両の所在地を検索する考え方は八〇年代からあり、全地球測位システム(GPS)による位置検索が有力だった。GPSとは、衛星が送信する電波を受信し、地上の受信機の位置を知らせるというシステムで、冷戦時代に米国防総省が軍の作戦のために開発したもの。現在は、カーナビゲーションや地質調査、天気予報などに利用されている。

 位置検索サービスの事業化を検討していたセコムだったが、GSPは目的とするものを五〇〜一〇〇メートル圏までしか特定できないため、警備員が急行しても捜索するには範囲が広すぎる、持ち歩く受診端末が重いという課題をクリアする必要があった。

 そんな折、二〇〇〇年春に米国の通信技術会社クァルコム(カリフォルニア州)がgpsOneを開発した。GPSは地球の周囲を回る三個以上のGPS衛星を使い、三角測量の手法で目的物を探し出すというもの。gpsOneはGPSと携帯電話の通信網を併用した位置検索技術だ、GPSはビルが林立する都市部では、電波が建物に遮られて測量ができないが、携帯電話の基地局をGPS衛星と見立てて検索するgpsOneなら検索できることがわかった。

 実用化を決定したのは、同年六月。サービス開始を翌年春としたため、開発は猛スピードでおこなわれた。課題の一つは九〇グラムもある端末の重さだった。これは発売の段階で六〇グラムまで軽量化し、高齢者や子供でも持ち歩ける重さとなった。

 もう一つは、サービスエリアのカバーだ。位置情報は、KDDIの携帯電話の基地局を通じて同社に送信される仕組みになっている。この基地局のカバー範囲を把握するため、測位チームを編成し、北海道から沖縄まで、山の中や海岸、ビルの中にまで調査員を送り込んで位置情報を調査した。

 あとは電子マップとこれまで培ってきた二四時間監視体制システムを活用するだけでサービス開始が可能だ。位置情報の精度も、新規加入者が入ることでデータが蓄積されていき、より精度がアップしており、現在、最良の条件で五〜一〇メートルの誤差範囲で位置を特定できる。今年二月現在の契約件数は、一二万五〇〇〇件となっている。

 利用法は簡単で、契約者は専用ホームページで必要情報を入力すれば検索対象の人、モノの現在地を確認することができる。自宅のパソコンでも、携帯電話からでも利用でき、半径五〇メートルから四キロメートル四方まで七つのレベルの縮尺の地図を自由に拡大・縮小表示が可能だ。月々、人なら五〇〇円、車両なら九〇〇円から利用でき、必要であれば、警備員が現場へ急行し、人や車両の捜索をおこなうサービスの要請もできる。

 では具体的にどのように問題対処されるのだろうか。新聞掲載された事件を紹介してみよう。

 昨年一一月、新幹線の中で、一億円相当の宝石の入ったバッグが盗まれた事件では、契約者が事件発生直後に三鷹市にあるセコムオぺレーションセンターに連絡している。一〇分後に警察からオペレーションセンターへ位置情報の要請が入り、以後継続して位置情報を提供しながら追跡。一時間一〇分後、東京都内の駅付近にて犯人を逮捕、バッグを確認している。状況に応じては、警察にセコムから直接連絡するケースもあるという。

 車においては、自動車の不自然な移動をセンサ機能で監視し、車が移動した場合は、すぐにオペレーションセンターに異常信号が送信され、センターから契約者へ連絡され、要請があれば現場へ急行するといったサービスがおこなわれている。昨年度は、約一〇〇件の盗難車両がオーナーのもとに戻っている。

 同じ位置確認のなかで、もっとも重要視されているのが、人の位置検索だろう。塾に通う小中学生の子供をもつ母親、持病をもった家族の帰りが遅いとき……。とくに痴呆症で昼夜を問わず徘徊の心配があるお年寄りをもつ家族の心配と体力との闘いは、計り知れないものがある。万が一のときに頼りになるサービスは、家族全員の健康をも守る安心を提供するシステムといえよう。

 現在、セコムは個人を対象とした位置検索サービスから一歩踏み出し、ケガをしたり、体の不調を感じたりしたときに携帯電話からオペレーションセンターに救急信号を送信できる「ココセコムEZ」やグループ管理する「ココセコムGマネージャー」のサービスをおこなっている。

 ここ数年、健康への関心が高くなり、病気は自分で「未病」のうちに防ぐという認識に変わってきた。健康だけでなく、盗難も、事故も「未然」に防ぐ時代が到来したのかもしれない。

(P79図キャプション)

ココセコムのシステム

(写真キャプション)

専用端末

NATUREINTERFACE.COM
ネイチャーインタフェイス株式会社 info@natureinterface.co.jp TEL:03-5222-3583
-- 当サイトの参照は無料ですが内容はフリーテキストではありません。無断コピー無断転載は違法行為となりますのでご注意ください
-- 無断コピー無断転載するのではなく当サイトをご参照いただくことは歓迎です。リンクなどで当サイトをご紹介いただけると幸いです
HTML by i16 2018/10/17