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モノづくり不思議教室 株式会社デンソー
カビを退治する光触媒 環境制御型走査電子顕微鏡で見たカビ胞子の制菌効果
環境制御型走査電子顕微鏡は、微生物などの含水試料を一○○○パスカル程度の低真空下で無処理観察できる顕微鏡である。従来の走査電子顕微鏡では、一万分の一パスカルレベルの高真空下で観察をおこなうため、水分が蒸発し試料が壊れてしまうという問題があった。 これに対し環境制御型走査電子顕微鏡は、差動排気装置によって電子銃部を一万分の一パスカルの高真空に保ちつつ、試料室は一○○○パスカル程度の低真空にすることができる。それによって、水分の蒸発を防いだ状態で無処理観察することが可能なのである(実際には飽和水蒸気圧を一○○○パスカル以下にするため、試料を三度程度まで冷却する)。 この装置を用いて、近年注目を集めている光触媒(酸化チタニウム)のカビ(コウジカビ)に対する効果をミクロレベルで観察した。光触媒を働かせるために用いる紫外線は、殺菌効果があることが知られている。そこでカビに紫外光のみを照射してみたが、とくに変化はみられなかった(図1)。 次に光触媒に紫外光を照射して観察をおこなった。すると光触媒から発生したラジカルにより、カビ胞子の細胞膜がダメージを受け、制菌作用が生じている様子が観察された(図2)。その後、紫外光の照射を止めて放置しておくと、カビは再び発芽した。 したがって、カビは完全に死滅するまでには至っておらず、成長を抑える(制菌)効果が発現しているのだと考えられる。この効果は、光触媒を塗布したフィルタ上にはカビが増殖していかないことによっても確認されている。
P34キャプション 図2 光触媒┼UV光照射
P34キャプション 図1 光触媒なし UV光照射
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