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NI Report ダイキン工業



NI report

ダイキン工業株式会社

――伸びる企業は、環境を考える

空調機メーカーであるダイキン工業が、

「地球環境大賞」「オゾン層保護賞」を相次ぎ受賞した。

冷媒であるフロンの回収や新冷媒の開発など、

環境問題への積極的な取り組みが世界的にも評価されている。

フロン全廃を年内に完了

 誰でも地球に住んでいる以上は、地球に優しい生活をしたい。ただ、快適さを犠牲にしてまでも、優しくはできないというのが、人間の身勝手さでもある。

 たとえばエアコンの冷媒であるフロンガスは、ご存じのようにオゾン層を破壊し、地球温暖化などの要因になっている。しかし、ヨーロッパの強靱なサッカー選手を泣かせたほどの日本の蒸し暑い夏をエアコンなしで耐えられるだろうか。

 ダイキン工業株式会社は、国内における業務用エアコンの四〇パーセントのシェアを占め、さらに空調機と冷媒の開発、生産をトータルにおこなっている世界でただ一つの企業でもある。そのダイキン工業が今年一月、「第一一回地球環境大賞」(財団法人世界自然保護基金ジャパン)を、次いで三月に「オゾン層保護賞」(米国環境保護庁主催)を受賞した。

同社が長年テーマにし、積極的に取り組んできた地球環境保護の業績が国内外に評価された結果といえる。

 今回の受賞理由は、オゾン層破壊・地球温暖化で問題となっている現在の主力冷媒であるCFC(特定フロン)、HCFC(代替フロン)の回収、さらに新冷媒HFC(新代替物質)の開発と早期普及促進を積極的に実行していることなどがあげられた。

 HFCへの転換については、かなり早い時期からの対応をおこなっている。まず、九一年に日本初のHFC量産プラントを稼働させ、今年中には主力機種のHCFC冷媒機の生産を中止、すべてHFC冷媒機へ転換する予定としている。

 オゾン層の保護を目的としたモントリオール議定書では、先進国は現在の主力冷媒であるHCFCの生産を二〇年までに全廃することを求められているが、ダイキン工業は、今から一〇年前に新冷媒の量産を開始、議定書の全廃期限を待たずに年内完了予定なのだから、かなりの環境優等生といっていい。

 このほかにも、全国のサービス拠点が一括でISO14001を取得してメンテナンス時の冷媒回収に努めたり、いち早く「家電リサイクル法」に対応し、リサイクルシステムに参画するなどの活動をおこなっている。

 「当社は空調とフッ素化学の事業を通じ、地球環境と表裏一体の企業として、地球環境問題に取り組んできました。今回の受賞は、地道な努力が認められたことと、大変光栄に思っております」(代表取締役副社長・水野哲氏)

明確な環境施策ビジョン

 ダイキン工業が環境問題に積極的に取り組んできたのは、空調やフッ素化学事業のなかで地球環境に少なからず影響を与えており、また空調機と冷媒の開発、生産ができる唯一の企業としての責任をもち、また寄与すべきことがあると自覚したからだ。

 同社は、九三年に二〇〇〇年を目指した「地球環境保全に関する行動原則」を制定、これを柱にして環境問題に取り組んできた。行動指針として、qフルオロカーボン問題への積極的対応、w環境負荷の小さい製品・サービスの提供、e日常業務における環境負荷の低減、r環境保全に役立つ技術の開発促進、t環境保全意識の向上、y国・地域の実績に合った環境管理の実施、u社外との連帯強化の七項目をあげ、さらに具体的な行動計画・目標値を設定した。今年、その総決算として、『環境報告書』を発行、各項目について成果や数値を報告、シビアな自己評価をおこなっている。また、〇一年からは〇五年を目標とした戦略経営計画「フュージョン05」のなかで、環境問題にさらに取り組んでいく姿勢を強めている。

 「これまでの活動で”環境に熱心な企業“というイメージをもっていただけるようになりました。今後は『環境のことならダイキンが面白いことをやってくれる』と言われるようになりたいですね」(水野氏)

 全社をあげての「環境運動」である。しかし、環境保全にかかるコストについてはどうなのだろうか。

 『環境報告書』によると、〇〇年度の環境保全コストの総額は六七億円。公害防止コスト、フルオロカーボンの排出削減、回収などにあたる地球環境保全コスト、環境教育などをおこなう管理活動コストなどに分類されているが、このうち研究開発コストだけで、全体の三分の二を占めている。空調機の開発における「省エネルギー」「リサイクル」「冷媒」の環境三課題への取り組みの表れといえよう。

 環境への取り組みの成果は、九八年に発売された従来の標準機に比べて六〇パーセントの消費電力削減を実現した「スーパーインバーター60」に表れている。この機種の発売によって同社の業績は一気に伸び、業務用エアコンのシェア四〇パーセントの原動力となった。昨年秋には、同機種の最新版で、すべてのクラスに「パワーリラクタンスDC圧縮機」を搭載した「スーパーインバーターZEAS_」を発売。モータの回転子に一般磁石の七倍の磁力をもつネオジウム磁石を採用し、低速から高速回転までの全域で圧縮効果を高め、より少ない電力で大きなパワーを発揮する仕組みだ。これにより省エネ率がアップし、消費電力削減七五パーセント(業界最高効率)の実現、リサイクル可能率九五パーセントという数字を達成した。冒頭の「地球環境大賞」受賞理由の一つにもなっている。

 今後、ダイキン工業の環境への取り組みは、さらにグローバル化していきそうだ。

 「空調機業界は、欧米諸国や中国への市場拡大がテーマとなります。とくに中国市場は、大きなビジネスチャンスであると同時に、環境問題にも深く関わってきます。当社には、製品や生産活動において、地球環境保全についての先進的な技術があります。コスト競争だけにとらわれない戦略で臨んでいきます」(水野氏)

 地球環境の恩恵を受けずに暮らしている人はいない。この自覚が業績を伸ばす原動力になっているのかもしれない。

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業界最高効率の消費電力削減

75%を実現した

「スーパーインバーターZEASII」

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『環境報告書』

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