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[NI首長インタビュー] 藤沢市長  -- 山本 捷雄



P44_45

NI首長インタヴュー

藤沢市長

山本捷雄

聞き手=板生清(本誌監修)

やまもと・かつお

1944年、神奈川県生まれ。69年青山学院大学法学部卒業。75年、藤沢市議会議員当選。4期16年務め、この間、藤沢市議会議長、関東市議会議長会会長、全国自治体病院経営都市議会協議会会長などを歴任。96年、藤沢市長当選、現在2期目。趣味は読書とスポーツ(野球・ゴルフ)。ただし、市長就任以来、多忙のため、野球は各種大会の始球式のみ、ゴルフはテレビ観戦がほとんど。

湘南の自然環境を守るため、

環境政策を重視

――「ふじさわ総合計画二〇二〇」という構想をおもちですね。

山本―これは二〇〇〇年に立案した、二〇年後を見据えた市政の総合計画です。もちろん、二〇年後まではっきり見据えるのは難しいとわかっているのですが。

――長いスパンの中で進めていくべきだという考え方は素晴らしいと思います。「地球ネットワークにささえられるまち」「湘南の自然環境にささえられるまち」など、環境を意識した方針が述べられていますね。

山本―市役所が率先して環境の保全と管理のための継続的な改善を図るということで、自然環境実態調査をおこなったり、身近なところではゴミの減量やリサイクルに取り組んでおります。

――将来の地方自治体はゴミ処理費と人件費でほとんど予算がなくなってしまうほど、ゴミ問題が大きな問題だと聞いたことがありますが……。

山本―市民生活から出てくるゴミ問題は、避けて通れない問題です。藤沢にはゴミ焼却場が二つあります。一つは一九七〇年頃につくられたもので老朽化しており、私が市長に就任した六年前に建て替えの話がありました。ところがもう一方にダイオキシン問題が起き、まずはこちらを三〇億円ほどかけて改装したんです。さらに新しく、循環型社会に向けてのエネルギーセンターをつくろうとしたのですが、それには市税収入の六割以上の金額がかかり大変な財政負担になってしまう。また、最新の溶融技術を使えば最終処分場への負担が五分の一に減るので、現状ではあと一〇年しかもたない処分場を五〇年もたすことができるようになる。実験的にその方法にも取り組んでいます。

――個人レベルでの行政指導は?

山本―五〇世帯以上の集合住宅にはディスポーザーの設置を義務づけています。五〇世帯以下では家庭用のゴミ処理機を使用してもらう。市でも費用の半額を補助しており、当初はかなり広がりましたが、最近はあまり増えていませんね。

――環境問題は、自分自身の問題にはなかなかならないんですね。先日、ある大臣にお会いしたときも、「ダイオキシンも何も出ない、一つで全部解決できる焼却炉を、科学技術の粋を集めて早くつくってほしい」とおっしゃっていました。

山本―藤沢はゴミを四分別にしたのは非常に早かったんです。ところが今はもっと細かくなっています。高齢者や共働きの家庭が増えてきていますので、あまり細かくしすぎた分別方法に住民の皆さんが果たして本当についてきてくれるのかどうか心配しています。

緑地率の低下を食い止めるには

――藤沢は海も山もあり、自然に恵まれていますね。環境実態調査の結果はいかがでしたか。

山本―藤沢の生態系がどうなっているか、保全してゆくための調査を五年間かけてやっているところです。これまでの調査結果を見ると、緑地の面積が以前の調査より四○%近くも減ってしまっていて、環境への影響が心配です。

――住宅地が開発されると、どんどん緑がなくなってしまいますからね。

山本―相続税を払うために大きなお屋敷が手離され、小分けで分譲されることが悩みの種です。

――そうすると人口も増え、環境も低下していきますね。聞くところでは、旧軽井沢の場合は、四〇〇坪単位以上でないと売買してはいけないという協定があるそうです。ある程度の歯止めは必要かもしれません。

山本―実際、土地の細分化にともなって緑地が減っています。協定制度もなかなか浸透せず、これまでは企業の敷地などで調整していたのですが、最近は企業もゆとりがなくなってきたようで……。

――我々は環境プランナー講座という、環境問題の専門家の養成講座を開いていますが、環境に対応していない組織は生き残れないというのが、関わっている皆さんの共通認識です。逆に環境をきちんと考えている企業は、ますます伸びてゆくだろうと。たとえば、市が各企業の環境経営度、環境配慮度を評価し、それを市民に公開する、などというのはどうでしょう。そうすると企業の取り組み方も変わるのではないでしょうか。

山本―なかなかいいアイデアかもしれませんね。

効率的な都市経営のためのIT活用

――環境NPOの活動は活発ですか?

山本―藤沢は環境問題に高い意識をもっている方が多く、NPOに限らず、いろいろな環境団体が活動しています。その方々が意見交換したり、市へ問い合わせをするための掲示板をインターネット上につくっています。地域の環境情報も掲示板に入るようになっているんですよ。

 じつは藤沢市は、ITを利用した「地域のトータルパワーを発揮する環境共生まちづくり支援システム」という事業システム(図)で、経済産業省の進める「地域生活空間創造情報システム整備事業」のモデル地区にもなっているんです。

――しっかりしたシステムですね。交流の場として積極的に利用されるとよいと思います。

山本―IT化はコストをかけずにサービスを向上させる際の重要な手段になると思います。選挙で選ばれた我々にとって、一番の喜びは住民の要望を実現できることなんです。しかし現実は、要望があっても予算がないからダメと言う役目をしている。このようなときにはコストをかけずにいかに住民サービスを提供できるかが重要ですから、昨年は各部各課の管理職全員参加で「マネジメントふじさわ」という研修をおこない、いかにサービスを落とさず事業を削減できるか研究させました。

 そういえば、複式の企業会計を取り入れたのは、藤沢は全国の自治体の中で一番早かったんです。都市も管理の時代から経営の時代に入っている、というのが私の持論なんです。

――私も同感です。藤沢市では、今年三月にISO一四〇〇一も取得されていますね。

山本―他の自治体は、本庁だけなど、一部しか取っていないところが多いのですが、藤沢は出先機関も全部含めて取得しました。対象に入れていないのは、学校と市民病院だけなんです。

――今後はそれを運用していく部分で、職員の皆さんの知恵が必要になってくると思います。そのためには、ぜひ環境プランナーを育てていただきたいですね。そのときにはよろこんでご協力させていただきます。

 本日はどうもありがとうございました。

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