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NI Topics 丸ビルで開催される近未来テクノロジー展「After 5 Years」


P78_79

NI

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生活者の視点から考える“ネイチャーインタフェイス”とは……?

読者から届けられた声の数々をご紹介します。

価値と付加価値のはざまで

大峯郁衣

 「どうして子どもは勉強しなくちゃいけないんですか」と、小学生が真剣に問いかけているTVコマーシャルがある。その映像を見るたびに、私はなんと答えたらいいのかなと考えてしまう。

 政府や大学は、IT革命によってもたらされた膨大な量の知識の中から個々人が適切なものを瞬時に取捨選択し、付加価値をつけて発信できる力・技術(スキル)を身につけることこそ現代の教育と謳い、躍起になっている。そのせいか、大阪のある塾では、小学生に起業家としてのセンスを身につけさせるセミナーを開講するとか。このような自立した個人が主役となって日本の近未来を拓くとする教育が、いまや王道を占めている。 

 付加価値とは、じつは、企業がつくりだした自社の発展の段階を示す経済用語である。技術人間の集まる企業本体に、何を付け加えたら商品価値が上がり儲けにつながるか、ということである。そうとなれば、上述の子どもに私たち大人は、「勉強はお金儲けのためにするのよ」と答えることになるのだろうか。

 哲学の分野で価値というとき、それは、個々人の行為の善悪を問う道徳や社会の倫理観を意味する。人としての品位・品格を問題とする。企業人である前に個々の人間として、誰からの指示を受けることなく、自発的・自律的に品位を保っているのかどうか、小学生であれば小学生としての善悪の判断ができる力を身につけているのかどうか、ということである。政府や学校が付加価値を重視するあまり、それ以前に身につけているべき人間性としての価値を、(大人は手遅れだが)子どもたちは、いつ、どこで、誰から教えられるのだろうか。鉄は熱いうちに打て!

僕は一五歳のゴルファー

竹内和子

 メ Nice meeting you.モ一五歳の、アメリカ人にしては小柄な男の子と握手をした。場所はゴルフ場。父親と二人で来ていて、我々夫婦と一緒にラウンドすることとなった。

 ティーグランドで雑談をしながら順番を決め、いよいよスタート。第一打をナイスショットした彼は違和感なくさりげなく立っていたが、右足は義足だった。ショートパンツからは、カーボン製の競技用義足がのぞいていた。足首の辺りは、幅一〇センチ、長さ三〇センチほどの長方形の板状のものが頼りなげに付いているだけ。しかし、その足は地面をしっかり捉え、打つ瞬間、体はまったく動かない。健康な足でも我慢して立っているのは時として困難なことなのに、しなやかな彼の義足は、それを何気なくこなしていた。負けずぎらいな年頃なのか、父親よりオーバードライブしたくて、時には闘争心まるだしでヘッドを振りぬいていた。しかし、右足は驚くほど地面に吸いついていて、ゴルフの基礎を教えられているようだった。どうしてあれほどに安定感があるのだろう? どうしてあれほどしっかり足を固定して打てるのだろう? 一時代前の木製の義足では考えられない。

 傾斜地を登る時に”シャカシャカ“と義足の音がして歩きにくそうにしている以外は、我々にそのことをまったく忘れさせてしまう。

 初めて出合った競技用義足に、すっかり嬉しくなってしまった。これによってどれだけ多くの人々がスポーツを楽しめるようになったかはかりりしれない。

 彼はゴルフを始めて一〇年だという。澄んだ目がキラキラ輝き、年相応に熱くゴルフに対する想いを語ってくれた。先生はメ My father.モ と誇らしげだった。

 そばの父親はつねに優しい眼差しで、結局、彼のショットに追い越されてしまったが、”しょうがない“とあきらめが早かった。

 久しぶりに爽やかな親子に会って、教えられることが多かった。

NI8号「ヒューマン・インタヴュー」を読んで

東京大学 新領域創成科学研究科 環境学専攻

人間人工環境コース 修士一年

神原広太

 日立製作所・長谷川邦夫氏のインタヴューにあるような「ユビキタスの時代」については、以前から話としては知っていました。IPv6の導入で、さまざまな家電製品、電化製品にマイクロコンピュータが内蔵され、それらが互いに密なネットワークを構成するという、まさに夢のような時代がくることはほぼ間違いないと思います。これにしたがって、研究室でも研究しているウェアラブルコンピュータをさまざまなところに介在させることも可能になるでしょう。近い将来そのような時代が来れば、人間の生活も便利になり、このインタヴューの末尾近くにあるとおり、人間の寿命は延びるようになるのかもしれません。

 ある歌の歌詞に、このようなものがありました。

「Car Telephone Spaceship So Many Things

 君を取り巻いたかつては夢だった現実、気づいているかい?」

 たしかに現在我々が何気なく利用しているものは、かつては夢だったものなのでしょう。私がこの歌詞を聞いてまず思ったのは、この現実を、私たちはあまりに無意識に享受しすぎていないだろうかということです。たしかに技術の進歩によって、人間の生活や生活環境は著しく改善されてきました。そして、これからも半導体やインタフェイスの進歩などによって、さらなる発展を遂げるでしょう。

 しかし、その発展がつねにプラスの側面だけをもっているという考え方は、危険であると思います。代表的な例としては環境問題が挙げられますが、技術が発展しても、それを用いるのはあくまで人間自身であるということを頭に入れておかなければならないと思います。

 インタヴュー中の例でいうならば、無線技術とマイクロ技術の進歩で生体情報を効果的に得ることによって、寿命は延びるかもしれない。しかし、すべて機器に頼るのでなく、あくまで「活動の中心は人間であり、機器が介在している」のだという意識をもつ必要があるでしょう。技術に人間が支配されるのではなく、技術を人間が活用するといった姿勢ももったうえでの、発展、進歩というものが重要なのではないでしょうか。

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